過去を払拭し明るい未来を作れるか
だが、力強いスタートを見せながらも失速してしまった昨年の経験から、これまでの結果に満足して気を緩めてしまうべきではないことも平岡はよく理解している。
「去年も(2試合時点で)同じ状況でしたので、ここからどうなるかが大事なのは分かっています。次の試合に活かせなければ何の意味もないですからね」
決して気を緩めないその姿勢はピッチ上での戦いにも表れている。基礎固めを済ませたあとは、勝負を仕掛けて相手より優位に立ちたいという思いが選手たちにはある。永戸勝也はそう力説した。
「(FC東京戦の)ハーフタイムには、主導権を握って勝ちにいきたいという強い勢いがありました」と永戸は語る。
「それができたという事実は素晴らしいと思います。これからもこういう試合に勝っていけるように、同じような戦いを続けられるようにしていきたいですね」
「チームとして今までよりボールを動かせていると思いますし、攻撃の組み立ての連係もかなりうまくいっています。昨年は相手を押し込むことに取り組んで、試行錯誤していた部分がありました。我慢しなければならない場面は今年もありますが、自分たちのやりたいサッカーも見せられていると思います」
「だけど、1-0で勝つことに満足してはダメですね。もっと早い時間に2-0や3-0にできるようにしていきたいと思います。早い時間に取れれば取れるだけ、試合を終わらせるのももっとやりやすくなりますので」
今季の仙台はすでに、ひとつのジンクスを打ち破ることに成功している。先週末の勝利は、味の素スタジアムから初めて持ち帰った勝ち点3だった。2016年6月以来のリーグ戦3連勝に向けて、この勝利がベガルタに新たな自信を与えてくれると石原は考えている。
「(アウェイでFC東京に未勝利だったということは)試合前に監督が言っていました。過去の結果はどうしようもないですが、その歴史を変えたいということ、未来は変えられるということを話していました。ここで勝ってその通りにできたのは嬉しいですね」
次の挑戦は今週末に待ち構えている。神戸に対して昨季の敗戦の借りを返し、今回はより力をつけたチームとなっていることを見せつけたいところだ。
(取材・文:ショーン・キャロル)
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