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Jリーグ 7年前

横浜FM、今季初勝利で取り戻したサッカーの原点。「泥臭く戦う」姿勢で掴んだ勝ち点3

text by 舩木渉 photo by Getty Images

取り戻した原点。泥臭く、貪欲に

 この日と同じように序盤に先制しながら、終盤にミス絡みで失点を喫して勝ち点1の獲得にとどまった先月25日のセレッソ戦。そこで出た「勝っている終盤のゲームコントロール」の課題を意識しながら、攻める姿勢も忘れず戦うことができた。

 そして今月2日、敗れた柏レイソル戦では「アタッキングサードでの質」が問われた。前線の選手たちの積極性、パスをつなぐだけでなくゴールに向かう貪欲さは、FC東京戦で改善が見られた。シュート数はFC東京の9本を大きく上回る「16本」。

 4分の先制点の場面も、左サイドから切り込んだFW遠藤渓太が遠めから思い切り右足を振り抜いたミドルシュートがきっかけとなった。こぼれ球を信じてリスクを冒し、逆サイドからもFWイッペイ・シノヅカが詰めていたからこそのゴールだった。

 飯倉は語る。

「目指すスタイルは圧倒して勝つことだけれども、やっぱり1対1の部分だったり、誰かがデュエルのところで勝てなかった場合に他の選手がカバーしたり、そういう泥臭く戦っていくことも必要。本当のベストはすごく綺麗にバルサみたいなサッカーをしたいんだけれども、それは今のこのレベルでは難しいから、それに近づけるように、ドタバタしながらでもゲームをコントロールしていければいいのかなと思います」

 マリノスが初勝利で得たものは勝ち点3だけではなかった。ポステコグルー監督が追い求めるスタイルにこだわるあまり、疎かになりがちだったサッカーの原点。勝利を目指して貪欲に、泥臭く「戦う」姿勢が最も欲していた結果につながった。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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