ヴェンゲルは「身を引くべき」。辞任推進派が多数に
アーセナルのレジェンドの口から出た一言は「ノー」だった。そして、ため息まじりに続けた。
「残念ながら想定内の結果だった。だからこそ、よりイライラさせられる。できることなら、私はメディアに出てアーセナルのことを褒め称えたい。だが『我々(アーセナル)がブライトンに勝つと予想していたか』と聞かれれば、答えはノー。『勝ってほしかったか』と聞かれれば、もちろんイエス。『(敗戦に)驚いたか』という質問の答えは、ノーになる」
「(格下相手に負けることが)想定内の話になってしまった。今日の試合終了後、スタジアム内を移動中に誰かが『アンビリーバブルな結果だ』と言ったのが聞こえたけど、それに対して『ビリーバブル』と私は答えていた」
さらに、にわかに噂される自身のコーチとしてのクラブ復帰についても言及した。
「私の力が必要だったらいつでも飛んでいきたい。現役時代、バルセロナから戻った際には、周囲の人間から『なぜそんなリスクを冒すんだ』と聞かれたが、私はアーセナルの人間だ。必要とされるならすぐに行くし、決して挑戦することを恐れたりはしない。ヴェンゲル監督の去就について話が出ているが、彼と一緒に戦ってきた人間として、『辞めるべき』など決して言えるわけがない。アーセンが最終的な結論を出すべきだとは思う」
アンリが、自分を発掘してくれた恩師の進退をオブラートに包みながら話す一方、ほかの識者は辛らつだ。キーオンやイアン・ライト、ポール・マーソンやレイ・パーラーといった、1990年代後半から2000年代前半にかけてヴェンゲルのもとで活躍した選手たちでさえ、「身を引くべき」という意見で一致している。
さらにここにきて、まさかのまさか、今季中の解任を予想する解説者やファンまでも現れており、一部ブックメーカーでは解任の最有力候補に挙げられている。アンリと同じ番組で解説を務めた、元イングランド代表のジェイミー・レッドナップも解任論を唱える一人である。
「これ以上落ちることはないんだ。(ヨーロッパリーグのミラン戦がある)木曜日までに監督を替えたっていい。カルロ・アンチェロッティに来てもらえばいいじゃないか。ティエリにお願いしてもいいだろう。今のヴェンゲルは、飲みに行って完全に出来上がっているのに『あともう一杯だけ』と飲み続けているような状況じゃないか。ヴェンゲル自身が『もうダメだ』というしかない。さもなければ、インビンシブルズのような素晴らしいチームを作った栄光がすべて忘れ去られて、ヴェンゲル=ダメなアーセナルという不名誉なレガシーが残されてしまう」