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Jリーグ 7年前

那須大亮が目指す完全燃焼。幾多の挫折バネに這い上がったサッカー人生【谷間の世代と呼ばれて】

1979年生まれ組が「黄金世代」と称される一方で、「谷間の世代」と呼ばれていた1981年世代。ワールドユース(現U-20W杯)や五輪ではグループステージ敗退を経験したが、2010年の南アフリカW杯では決勝トーナメントに進出した日本代表チームで軸となる世代となり、今なおJクラブで主力を担う選手たちもいる。今季からヴィッセル神戸に加入したDF那須大亮は、キャリアを通じて幾多の挫折を乗り越え、移籍を繰り返し、その度に強くなってきた情熱あふれる不屈の男である。(取材・文:元川悦子)

シリーズ:「谷間の世代」と呼ばれて text by 元川悦子 photo by Getty Images

「自分の情熱を全部ぶつけたい」

那須大亮
那須大亮は昨季限りで浦和レッズを退団してヴィッセル神戸へ移籍した【写真:Getty Images】

「フライデーナイトJリーグ」の導入で注目された先月23日の2018年J1開幕戦・サガン鳥栖対ヴィッセル神戸。拮抗した展開が予想されたこの一戦は意外な形で幕を開けた。

 キックオフからわずか2分、2020年東京五輪日本代表のエース候補の1人である鳥栖の田川亨介が鋭い飛び出しを見せ、神戸守備陣の反応が遅れる形になった。浦和レッズから今季移籍してきた36歳のベテランDF那須大亮が必死に止めようとしたが、主審にPKを宣告されてしまった。これを田川に確実に決められ、まさかの1点を献上。吉田孝行監督も「試合の入りが悪かった」と認める厳しい序盤を余儀なくされた。

 それでも時間が進むごとに神戸がペースアップし、後半は完全に試合を制圧する。そして終了間際の87分、ハーフナー・マイクが芸術的な一撃をお見舞いし、1-1に持ちこむことに成功。敵地での勝ち点1という最低限の結果を手にすることができた。

「チームがよくなるために自分の情熱を全部ぶつけたい。神戸でも熱くやり切りたい」と開幕直前に語気を強めていた那須自身も胸をなでおろした部分はあっただろう。自身6つ目のJ1クラブで波乱含みのプロ17年目をスタートさせた彼だが、2018年の真の戦いはここから。持ち前の闘争心でチームを力強く鼓舞していくはずだ。

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