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ディバラの誘惑…諦めがつかないメッシとの共存。アルゼンチンを高みに導く可能性【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

独特のシュートセンス

 2016年9月1日のワールドカップ予選、ウルグアイ戦でアルゼンチン代表デビュー。ところが、その試合でディバラは2枚目のイエローカードで退場になってしまう。

 南米予選で苦戦が続いたアルゼンチンはホルヘ・サンパオリ監督に交代、切羽詰まった状況で引き継いだサンパオリはメッシ中心の編成で固め、ディバラの出番はなくなった。ただ、ロシア・ワールドカップでメッシとディバラのタンデムが実現する可能性はあると思う。

 代表チームはほとんどまとまった練習時間をとれないのが現状だ。まして監督を代え、予選落ち寸前の状況になれば冒険やテストをする余裕はない。ワールドカップ前になれば強化期間もあるだろうから、改めて2人の共存を探るのではないか。

 デビュー戦で退場はメッシもそうだった。2005年のハンガリー戦で退場になっている。ヨハン・クライフも代表2試合目(チェコスロバキア戦)で退場処分。未来のスーパースターも最初からすべてが上手くいくとは限らない。

 狭いスペースでの打開力とともにシュートの上手さもディバラの特質だ。目の前のDFを利用して打つシュートの感覚は独特である。

 タックルしてくるDFの足の間を抜くシュートはよく見るが、ディバラは足を広げていなくてもDFの足のすぐ横を通すシュートを狙っている。GKからはDFで隠れていてボールが見えない状況を利用しているのだ。

 DFとGKとポストの位置関係を感じながらシュートへ持っていく。優れたゴールゲッターに共通しているポストの位置を見ないでも把握できる能力、それだけでなくDFの位置からポストの位置を割り出し、GKへの影響も瞬時に計算している。

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