岩渕真奈が攻撃で存在感を発揮。終盤に自ら獲得したPKでゴールも挙げた【写真:Getty Images】
【日本 2-0 デンマーク アルガルベカップ グループリーグ】
ポルトガルで開催中のアルガルベカップに参戦しているなでしこジャパンは5日、グループリーグ第3戦でデンマーク女子代表と対戦した。
初戦でオランダに大敗を喫した後、第2戦でアイスランドに勝利し1勝1敗でグループリーグ最後の試合に臨んだ日本。3日前のアイスランド戦からはDF熊谷紗希とFW岩渕真奈を除いたスタメン9人を変更し、オランダ戦に出場したメンバーの多くがピッチに送り出された。
GKは初戦6失点の雪辱を晴らしたい池田咲紀子、DFに右から有吉佐織、熊谷、三宅史織、鮫島彩が起用された。また、初戦はセンターバックだった市瀬菜々がセントラルMFに入り、阪口夢穂とコンビを組む。右サイドに中島依美、左サイドに長谷川唯、2トップに岩渕と田中美南という攻撃陣の爆発にも期待がかかる。
序盤の主導権を握ったのは日本。15分に中島の左足ミドルシュートが枠を捉えるなど、デンマークよりも多くのチャンスを作る。だが、昨年の欧州選手権でオランダに次ぐ準優勝を果たしたデンマークも負けていない。
39分にはパスで日本を翻弄し、右サイドから抜け出したDFテレサ・ニールセンがシュートを放つ。これは左ゴールポストに直撃して事なきを得たが、43分にはセットプレーで日本のマークが乱れた隙を突かれるなど、油断できない展開が続く。
先制点が欲しいなでしこジャパンは前半終了間際の45分に、阪口のスルーパスを受けた田中が相手DFをかわして右足でシュートを放ったが、これはゴールの左に外れた。両チームともスコアレスのまま後半に突入する。
日本は後半開始から交代カードを切っていく。前線で奮闘した田中に代えて横山久美、右サイドバックの有吉を下げて清水梨紗を投入した。システムも岩渕をトップ下に下げ、横山を1トップに据える4-2-3-1に変更する。
この選手交代とシステム変更が功を奏したか、なでしこジャパンは後半も立て続けにチャンスを作る。52分に岩渕、53分には入ったばかりの清水、そして55分に再び岩渕がペナルティエリア内でシュートに持ち込むが、GKの好セーブなどもあって先制には至らない。
59分、高倉麻子監督はボランチで起用された20歳に市瀬を下げ、ベテランの宇津木瑠美を投入する。68分には攻撃で存在感を発揮していた中島に代わって、INAC神戸でチームメイトの増矢理花が起用された。
攻撃の形は作るもののゴールが遠い日本。対するデンマークも80分にビッグチャンスを作る。セットプレーの流れからクロスに合わせる形で池田の守るゴールに襲い掛かるが、ヘディングシュートは惜しくも右に逸れた。
ピンチの後にはチャンスあり。82分、中盤からの長いスルーパスに横山が抜け出してシュートを放つ。ゴール前の密集に阻まれたこぼれ球に長谷川が飛び込み、一度はブロックに遭いながらも、執念で先制点をねじ込んだ。
さらに後半アディショナルタイムの92分、岩渕がペナルティエリア内で倒されてPKを獲得。それを自ら決めて、試合を終わらせる追加点を奪った。なでしこジャパンが欧州選手権準優勝のデンマークを2-0で下し、今大会2勝目を挙げた。
同時間帯に行われたアイスランド対オランダはスコアレスドローで終了したため、勝ち点7のオランダがグループ1位になることが確定した。日本は勝ち点6となり、グループ2位となっている。
各グループ2位のうち最も成績の良いチームは、グループ首位の3ヶ国のうち最も成績の振るわなかったチームとの3位・4位決定戦へ回る。残るグループ2位の2チームは5位・6位決定戦へ進むことになる。
グループCで2位の日本は、先に試合を終えたグループBで2位のカナダと勝ち点で並んでいるものの、得失点差で下回っているため2番手以下が確定。この結果、7日に行われる5位・6位決定戦へ回ることが決まった。
【得点者】
82分 1-0 長谷川唯(日本)
93分 2-0 岩渕真奈(日本)
【了】