東京五輪世代の一番星し。板倉の覚悟
清水エスパルスの19歳、立田悠悟は鹿島アントラーズとの開幕戦で待望のJ1デビューを果たし、ヴィッセル神戸の第2節では決勝ゴールを叩き込んだ。189センチの高さを誇る右サイドバックとして、存在感を一気に際立たせている。
昨季J2で十分な実績を積んだ湘南ベルマーレの19歳、杉岡大暉は左アウトサイドで、初めて臨むJ1の舞台でも臆することなくプレー。開幕連勝で首位に立った名古屋グランパスでは、2種登録選手の菅原由勢がセンターバックとして堂々とプレーしている。
そして、若手の育成に定評のあるレヴィー・クルピ新監督に率いられるガンバ大阪では、市丸瑞希がボランチのレギュラーを獲得。18歳のMF福田湧矢、17歳のFW中村敬斗のルーキーコンビも、すでにJ1でデビューを果たしている。
今季のJ1で躍動する東京オリンピック世代の中で、開幕戦からフル出場を果たし、ベガルタの2試合連続完封勝利に貢献している板倉はトップランナーを担っていると言っていい。
「結果だけを見ればともに1‐0で素晴らしいと思うけど、まだまだ隙がある。今日も自分のポジションを空けて前へプレスにいったときに、後ろのスペースを使われたこともあった。カズキ君(大岩一貴
)やヒラさん(平岡康裕)がカバーしてくれましたけど、その点は次の試合で生かさないといけない。
ただ、試合に出ることで気がつくこともたくさんある。だからこそ試合に出続けられるように練習からアピールすることも必要だし、試合で結果を出し続けることも必要なので、ボランチを含めた両方で自分の良さを出していくことを、これからも意識的にやっていきたい」
7日にはYBCルヴァンカップが開幕し、ベガルタはホームにJ2のアルビレックス新潟を迎える。25周年を迎える今季のJリーグで躍動する、リーグ黎明期を直接知らないホープたちの一番星として。ピッチでプレーする時間に比例するように、板倉が放つ輝きは増していく。
(取材・文:藤江直人)
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