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Jリーグ 7年前

仙台DF板倉滉、東京五輪世代の一番星に。同世代の活躍に刺激、新天地で解き放たれた輝く才能

開幕連勝スタートをともに1‐0の完封で飾ったベガルタ仙台で、東京五輪世代のDF板倉滉が強烈な存在感を放っている。小学生年代から所属してきた川崎フロンターレから、出場機会を求めて期限付き移籍で加入したプロ4年目の21歳は、3バックの左ストッパーとして高さと強さを存分に発揮。柏レイソルとの開幕戦ではJ1初ゴールとなる決勝点も叩き込むなど、186センチ、75キロの恵まれた体に搭載された潜在能力を、実戦を重ねるごとに解き放っている。(取材・文:藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

仙台で定位置獲得。充実のプロ4年目開幕

板倉
板倉滉は今季、ベガルタ仙台へ期限付き移籍。開幕戦から左ストッパーとして先発の座を掴んだ【写真:Getty Images for DAZN】

 サッカー人生における「初体験」が続いている。J1の舞台での初先発、初の90分間フル出場、初ゴール。FC東京のホームに乗り込んだ、3日の明治安田生命J1リーグ第2節でも先発フル出場。連続完封勝利に貢献したベガルタ仙台のDF板倉滉は、表情に充実感を漂わせた。

「前半は守備に追われる時間が長くてきつかったけど、しっかりとゼロで抑えたことが勝利につながったと思う。1点を先に取った後に相手がどんどん前へ出てくるなかで、まずは個々で負けないように、とみんなで声を掛け合いながらプレーした。結果としてゼロに終われてすごくよかった」

 3バックで戦うベガルタのなかで、左ストッパーとして確固たる居場所を築きつつある。フィールドプレーヤーでは最長身となる186センチの高さは空中戦における強さをチームに与え、地上戦でも球際の強さを発揮。先制した直後の60分には、象徴的なシーンが訪れている。

 自陣でパスを受けたFC東京のMF大森晃太郎が、間髪入れずに前線へロングパスを放つ。ターゲットは右タッチライン際。FWディエゴ・オリヴェイラがすでにトップスピードに到達し、ハーフウェーラインを越えてベガルタの最終ラインの裏へ抜け出そうとしていた。

「僕のサイドに流れてきていたので、そこは気をつけながらプレーしていました。体が非常に強い相手なので、僕が行きすぎて体を入れ替えられないように、という点を意識していました」

 D・オリヴェイラの狙いを事前に察知し、絶対にリスクマネジメントを怠らなかった。果たして、カウンターになりかけた60分の場面では、ポジションをスライドさせながら最後はスライディングタックルを一閃。ボールを刈り取り、勢い余ったD・オリヴェイラはピッチのうえに転げた。

 ボランチでもプレーできるポリバレントぶりも武器とする21歳は、足元の技術にも長けている。味方の攻撃が手詰まりになったと見るや、得意のドリブルで果敢に攻めあがる意外性も発揮。FC東京の守備陣を混乱させる場面もあった。

「僕のポジションからのドリブルは常に狙っているというか、相手もあまり予測できないと思っているので。相手を剥がすことを常に意識しながら、ボールを運べるときはどんどん運んで攻撃にも参加していきたい。後ろの選手がカバーしてくれるので、思い切りよくドリブルできるところもあるので」

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