ホームの後押しを受けて勝利を掴みたい
FC東京は浦和レッズとの開幕戦で1-1と引き分けた。立ち上がりからサイドを起点に攻めてくるアジア王者に対し、青赤は集中力の高い守りを見せた。すると、スコアレスで迎えた48分、髙萩洋次郎のスルーパスに抜け出した東慶悟が粘り強くゴールを奪い、先制に成功した。直後にセットプレーから失点したのは反省材料だが、試合を通して守備の堅さを示すことはできた。
今節対戦するベガルタ仙台は、開幕戦を白星で飾っている。柏レイソルを相手に一歩も引くことなく戦い、後半はテンポの良いパスワークで相手を翻弄してもいる。サイドを広く使いながら、前線の機動力を活かす。板倉滉の加入によってビルドアップの安定感も増した。そんな仙台について、長谷川健太監督はこう語る。
「去年の夏場は難しい時期もあったと思うが、それを乗り越えて非常に良くなっていった。チーム力というところは昨年の終盤からついてきていると思う。抜けた選手もいるが、新しく補強した選手が1戦目で結果を出している。阿部(拓馬)選手なんかも非常にフィットしている。監督もずっと変わっていないし、やり方も昨シーズンから3バックに変えて、苦労した時期を乗り越えて、今はだいぶ充実した戦いができているんじゃないかなと思っている」
継続性という点では、仙台に分があるだろう。それでも、長谷川監督体制になったFC東京もチームの構築は着々と進んでいる。
攻守の切り替えのスピードが速く、選手たちも練習から意欲的に取り組んでいる。6対6のシュートゲームでは少しでも動きが遅れると、監督から『休むな』、『止まるな』という声が飛んだ。
FC東京は堅守への自信を深めつつあるが、奪った後のプレー精度の向上にはまだまだ改善の余地がある。指揮官はこう語った。
「もう少しボールを動かす、動かせる選手たちだと思うので、その辺はまだまだトレーニング不足だと思う」
仙台は両ウイングバックが積極的に攻撃参加してくる。FC東京としてはそこをしっかり抑えるのはもちろん、奪ったボールを大事にしながら活路を探りたい。サイドバックの太田宏介、室屋成が高い位置でプレーできるようなシチュエーションになれば、前田遼一、ディエゴ・オリヴェイラの2トップもボックス内でより輝けるのではないだろうか。
開幕戦で得た勝ち点1を価値のあるものにするためにも、ホームの後押しを受けて勝利を掴みたいところだ。
(取材・文:青木務)
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