5バックの牙城を崩しきれなかったドルト
曖昧なパフォーマンスだった。2月26日に行われたブンデスリーガ第24節、対FCアウクスブルク戦。1-1のドローで試合を終えると、BVBの選手たちは、口を揃えて“怒り”を露わにした。
マリオ・ゲッツェは「1-1は全くもって単純に腹立たしいね」と振り返った。
「僕たちのプレッシングとファイナルサードでのプレーは、思い描いていたとおりのものではなかった。満足のいくものではなかった。少しもね」
16分、カウンターで先制したボルシア・ドルトムント。マルコ・ロイスから中央でボールを貰ったゲッツェが、さらに右サイドを走るアンドレ・シュールレにパスを送る。シュールレはファーサイドに走りこむミチ・バチュアイに折り返す。1度は敵のDFマルティン・ヒンターレッガーに防がれるが、こぼれ玉をここまで走ってきたロイスが押し込む。“ドイツ代表トリオ”がもたらした幸先の良いゴール。
しかし、その後が続かなかった。シュールレは「いずれにせよ失望した」と振り返った。
「とても腹立たしい。というのも、我々にはビッグチャンスがあったが、決め損ねたからだ。我々はショートパスを繋ごうと試みたが、多くのミスを犯し、アウクスブルクを試合に引き戻してしまった」
守備時には[5-4-1]でブロックを作ったアウクスブルクに、BVBは手を焼いた。敵陣でポゼッションを高め、「ショートパスを繋ごうと試みたが」、5バックで引いた敵の牙城を崩せない。
ワントップに入ったバチュアイは、周囲の味方を活かすことに意識を傾け過ぎたのかもしれない。アウクスブルク戦で“新エース”のポストプレーは目立ったが、加入直後に点を取り続けた時のような、敵のゴールを脅かす危険な匂いは漂っていなかった。