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Jリーグ 7年前

鹿島・安西幸輝の“三刀流”。タイトル奪還へ、東京V育ちの22歳ホープが示した可能性

text by 藤江直人 photo by Getty Images

目指すはすべてのタイトル獲得

複数ポジションをハイレベルにこなし、攻守両面で鹿島に新たな可能性をもたらしている
複数ポジションをハイレベルにこなし、攻守両面で鹿島に新たな可能性をもたらしている【写真:Getty Images】

 32歳の山本が孤軍奮闘してきた左サイドバックに厚みをもたせ、右サイドバックでも内田にはない武器をもたらす。リハビリ中の西が、復帰後は右サイドハーフを主戦場に置くプランも具現化させる。

 サイドハーフとしての攻撃力を含めて、さまざまな相乗効果をもたらしつつある安西は、新天地で踏み出した第一歩にも表情を引き締めることを忘れなかった。

「クロスをあげるときに中の枚数も増えてきているし、自分のよさをだいぶわかってきてくれたとは思うけど、もっともっと自分から意思表示をしていきたい。もちろん日本代表に入りたいけど、その前にアントラーズでやることがいっぱいあるので。それらをひとつずつクリアしていきたい。

 自分はもっとできると思っているし、もっと頭を働かさなければいけない。たとえば最後のアタッキングサードのところでは、もっと落ち着いてプレーできるはずなので。数字の部分でもっと結果が表れるように、そういうところもしっかりと伸ばしていきたい」

 今月14日の上海緑地申花(中国)とのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループリーグ初戦で左サイドバックを、21に異の水原三星ブルーウィングスとの第2戦では右サイドバックを務め、エスパルスとのJ1開幕戦では“三刀流”まで披露した。

 大岩監督のさい配に幅をもたせる存在になっても、安西は満足しない。悪夢の無冠に終わった昨シーズンの捲土重来を期し、目の前にあるすべてのタイトル獲得を目指すアントラーズに攻守両面で新たな力を加えていくために、172cm、64kgの体に大きな可能性を秘めるホープは精進を積み重ねていく。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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