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Jリーグ 7年前

鹿島・安西幸輝の“三刀流”。タイトル奪還へ、東京V育ちの22歳ホープが示した可能性

text by 藤江直人 photo by Getty Images

内田篤人、西大伍から伝授されるプレーの秘訣

東京ヴェルディでも左右両サイドでプレーしていた安西幸輝
東京ヴェルディでも左右両サイドでプレーしていた安西幸輝【写真:Getty Images】

 図らずも同じチームでプレーすることになった今シーズン。1月下旬に宮崎県内で行われたキャンプで、7歳年上の内田へ勇気を振り絞って、ドイツにおける守備のやり方を聞いた。内田は「聞いてくれたほうがオレも楽だから」と、笑顔で経験を伝授してくれた。

「外国人の動かし方はすごく難しいと思うんですけど、すごく上手くやっていたので。そのときに右サイドで(内田)篤人さんが後ろにいるときには、僕の背中を篤人さんに見せながら相手のパスコースを消すディフェンスをしてほしいと言われました」

 自分がサイドバックに入ったときには、前方の味方へ同じ要求をすればいい。昨シーズンは右のサイドハーフとしても活躍した西には、複数のポジションをハイレベルでこなす秘訣を聞いた。右ひざ内側側副じん帯を断裂する大けがを負い、EAFF E-1サッカー選手権を辞退した西は快く話してくれた。

「ご飯を一緒に食べながら、(西)大伍さんはいろいろ話してくれた。大伍さんは非常に頭のいい選手だし、勉強になることがすごく多かった。ユーティリティーという意味では、大伍さんが一番だと思うので。その部分で大伍さんにもっと近づきながら、自分のよさも出していきたい」

 安西のよさとは何か。前述したドリブルとスピードだけではない。球際の攻防で後塵を拝しない、旺盛なファイティングスピリット。そして、試合の終盤になっても衰えない運動量となる。エスパルス戦における総走行距離11.658kmは、MFレオ・シルバに次いで2番目に多かった。

 右サイドバックに回った3分後の87分には攻め上がった後に切り返し、直後に左足から絶妙のクロスをゴール前へ供給。GK六反勇治の真正面に飛んでしまったものの、完璧なタイミングから放たれた鈴木のヘディングシュートを導いている。

「ああいうボールをもっと試合のなかで出せれば、得点につながることが多いと思うので。今日はもうひとつくらいしか(味方と)合っていないので、もっと質の高いクロスを自分に要求していかないと」

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