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Jリーグ 7年前

FC東京、先制点から垣間見える今季への思い。長谷川監督の「戦え!」を実践したイレブン

text by 青木務 photo by Getty Images

指揮官はチームの戦う姿勢を評価

 失点からわずか2分後の50分、柏木陽介のCKに反応した槙野智章が右足アウトサイドで合わせてネットを揺らす。アウェイチームがあっという間に試合を振り出しに戻した。

 試合後、 FC東京の長谷川監督は「(先制点を)取った後すぐ取られるという、一番やってはいけないパターン。それもセットプレーでということで。その辺がまだまだ甘さだと思うので、しっかりと、点数が動いた後に集中し直し、やらせずに追加点を取るというところを目指して、次の仙台戦に向けてしっかり準備していきたい」と話した。

 一方、同点ゴールを挙げた槙野はこう語る。

「一番良かったのは僕がゴール決めたことより、失点した後のゲーム運び。あの時間帯でゴールを決めることができたのと、0-1からのゲーム運びは昨年よりもかなり進歩した部分かなと思っている。昨シーズンの悪い部分といえば、失点した後に立て続けに失点してしまう、チームがバラバラになってしまうというところが、うまく改善された今シーズンの初戦だと思っている」

 勝利が欲しい FC東京は永井謙佑、久保建英、富樫敬真と次々に攻撃のカードを切った。富樫が身体を張り、永井がスピードを活かし、久保も相手のマークを受けながら冷静な判断でプレーした。背番号15は試合終了間際、左足でシュートも放っている。

 だが、試合は1-1のまま終了。勝ち点1を分け合う結果となった。 FC東京としては、得点直後の失点が悔やまれるが、90分通して一人ひとりが粘り強く戦った。その強い気持ちは、先制点を見れば明らかだろう。

 指揮官は試合前、「戦え!」と鼓舞して選手たちを送り出したという。そして、それを実践したイレブンの戦う姿勢を評価。勝利はできなかったが、チームの特徴は発揮できたのではないだろうか。

(取材・文:青木務)

【了】

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