守備面に不安も、攻撃陣がカバーできるか
もちろんボルシアMG戦では、GKロマン・ビュルキの果たした役割は大きく、無失点に抑えることができたのは、アカンジ1人に依るものではない。しかし、攻撃時も含めたスイス代表DFのポジショニングは、チーム全体の守備のバランスを整えることに一役買っている。HSV戦も0で抑えていることを考えれば、22歳の新参者は、やはり貴重な存在と言えるだろう。
このようにドルトムントは、守備陣に若干の不安を抱えつつ、アタランタとの第2戦へ臨むことになりそうだ。
一方で攻撃陣は、ゴールを奪うための破壊力が十分に備わっている。2列目では、マルコ・ロイス、マリオ・ゲッツェ、アンドレ・シュールレが引き続き先発するだろう。ボルシアMG戦で3選手は息の合ったコンビネーションを見せ、ロイスが決勝点を奪った。3人は練習を通して連係をさらに深め、アタランタのゴールを脅かしてくれるはずだ。
そしてミチ・バチュアイ。ベルギー代表FWは既に第1戦で2ゴールの活躍を見せている。アタランタDF陣との実力差を示した。ボルシアMG戦でバチュアイは黒子役に徹していたが、“ドイツ代表トリオ”と“新エース”の融合がさらに進めば、アタランタを相手に複数のゴールを決めることは十分に可能だろう。
どちらかと言うと、撃ち合いの「準備はできている」ELバージョンのドルトムント。もちろん守備のバランスを意識する必要はある。だが変に縮こまるより、攻撃面で思い切りの良さを忘れず、どんどんゴールを目指した方が結果は付いて来るのかもしれない。
なお、負傷離脱中の香川真司は空港に姿を見せていない。遠征には帯同せず、アタランタとの第2戦の欠場が確定している。
(取材・文:本田千尋【ドイツ】)
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