筋トレから生まれる好循環
ともあれ、見た目にもはっきりと体が大きくなったことで、日々の練習や試合に臨むうえでの気持ちも変わってくる。おのずとパフォーマンスにも好影響を与えてくる。
「男って不思議なもので、たくましくなった体を鏡で見始めるじゃないですか。そのたびに自信がつくし、決してスピードが落ちるわけでもないし、けがもしないし、ピッチを離れても堂々と振る舞い始めるし、さらに筋トレに励もうというサイクルが生まれる。悪いことじゃないですよね」
生き生きとした表情を浮かべる選手たちに大倉代表取締役が目を細めれば、田村監督は日本サッカー界に衝撃を与えた天皇杯における躍進が未来へ相乗効果を及ぼすと指摘する。
「体を大きくすることに、もしかすると半信半疑だった選手もいたかもしれない。そのなかで結果がついてきたことで、『当たり負けしない』とか『走り負けしない』と思えたはずですし、負けはしましたけど、清水戦を通して『対等に戦えた』という自信がさらに膨らんだんじゃないでしょうか」
前例のないフィジカル革命の先に、果たして何が待っているのか。いわきFCの選手たちの目をさらに輝かせた、昨シーズンの快進撃の出発点となった遺伝子検査は昨春に発足したアカデミーのU-15にも実施され、チームの未来を担う子どもたちを対象とした育成をも加速させている。
(いわきFCのアカデミーに関して詳しくはこちら。リンク先は「ジュニアサッカーを応援しよう!」)
(取材・文:藤江直人)
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