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Jリーグ 7年前

C大阪、ユン体制2年目の発展。ロンドン世代がけん引、2冠王者はさらなる高みへ

text by 小田尚史 photo by Getty Images

昨季は2冠を達成。指揮官がもたらしたもの

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C大阪をかつてない高みへ導くことに成功したユン・ジョンファン監督【写真:Getty Images】

 ルヴァンカップと天皇杯の2冠に加え、リーグ戦でもクラブ史上最多となる勝点を獲得した昨季。就任1年目にしてC大阪をかつてない高みへ導くことに成功したユン・ジョンファン監督。昨季、彼がチームに積み上げたものとは何だったのか。

 始動2日目から早速、3部練習を行った。練習自体は20分ほどの体幹トレーニングだったが、体力的な強化に加え、生活リズムを整えるとともにメンタル面の強化という意味合いもあった。ピッチ外での規律作りと体力面での強化。指揮官がチームに施した最初の改革だった。

 戦術的には、守備面から着手。ピッチに立つ11人が一人ひとりの判断でボールを奪いに動くのではなく、まずはしっかりとポジションを取り、そこから意思統一された連動したプレスでボールを奪う、守備の規律をチームに落とし込んだ。

 体力面の強化と守備戦術の浸透により、2016年は目立った試合終盤の失点が減り、逆転負けを喫することも昨季はほとんどなかった。攻撃面では、昨季はポゼッション率が50%を下回っており、J1全体では12番目の数字。ボール保持には必ずしもこだわらなかった。

 その一方で、ポゼッション時のスプリント回数は全体の3位。奪った後は素早く前に出る意識付けは徹底されており、シュート数も上位。しっかりとフィニッシュで終わり、効果的に攻撃を完結できていた。サイド攻撃も昨季のチームの特長で、水沼宏太のクロスはチームの武器となった。

 また、ユン・ジョンファン監督はチームマネジメントにも長けており、優勝を成し遂げたルヴァンカップでは多くの選手が出場。リーグ戦では控えに回ることが多かった選手たちのモチベーションを落とさずチーム全体の底上げを図ったことも、昨季、チームが積み上げた大きな財産だと言える。

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