黄金世代に飛び級入り。実力はすでに国内屈指
ハノイT&Tのトップチームでは、ファム・タイン・ルオン(リーグMVP歴代最多4度受賞)やグエン・バン・クエット(現ベトナムA代表の背番号10)、ウガンダ代表モーゼス・オロヤらとともに、リーグ屈指の豪華な中盤を形成し、初年度からVリーグ優勝とベトナムカップ準優勝を経験する。
左足から繰り出されるシュートには年々磨きがかかっており、先日のAFC U-23選手権では、決勝のウズベキスタン戦で決めた直接フリーキックが大会ベストゴールに選ばれた。
早熟のグエン・クアン・ハイは、ベトナム代表でのキャリアも長い。14歳でU-16代表に選出された後、“ベトナムのメッシ”ことグエン・コン・フオン(元水戸ホーリーホック)や“ベトナムのピルロ”ことグエン・トゥアン・アイン(元横浜FC)らを擁し“黄金世代”と称されたU-19代表には、16歳のときから飛び級で招集されていた。
U-19代表初招集となった日本遠征で、グエン・クアン・ハイはすぐレギュラーに定着した。この時の印象はチーム最年少ということもあり、お兄さんにくっつくシャイな少年といった感じだったが、一度ピッチに立った時の年上相手にも物怖じしない態度は昔も今も変わらない。
“黄金世代”が卒業したその後のU-19代表では、グエン・クアン・ハイが攻撃の核として存在感を発揮した。前の世代がバルセロナ風の華麗なパスサッカーを標榜していたのに対し、次の世代は、現実的な堅守速攻を徹底。AFC U-19選手権2016では、右サイドを主戦場としたグエン・クアン・ハイのドリブル突破とフリーキックから多くのチャンスを作り、ベトナムは初のベスト4進出を果たした。
これにより、“黄金世代”も成し得なかったU-20ワールドカップ初出場を果たした。昨年韓国で行われた本大会では、初勝利こそならなかったが、グループリーグ初戦の相手であるニュージーランドとスコアレスドローを演じ、東南アジア勢で史上初の勝ち点1を獲得している。