決して悪くなかったパリの動き
ウナイ・エメリが監督であるうちは、パリ・サンジェルマンがチャンピオンズリーグに優勝することはない……。と、しみじみ思ったラウンド16、レアル・マドリー対PSGの第1レグ。
立ち上がりは雰囲気に呑まれたかのように動きの固かったPSG勢だが、15分あたりから体も頭も動き出すと、33分に会心の先制点をマーク。
キリアン・ムバッペの右サイドでの豪快なドリブル突破からのクロスをエディンソン・カバーニがヒョイとスルー。ゴール真正面のネイマールは、相手に詰められてシュートは打てなかったが左足で後ろに流したボールが絶妙なバックパスとなり、それを受けたアドリアン・ラビオがしっかり叩きこんで値千金のアウェイゴールを奪った。
GKアレオラの好セーブにも阻まれて得点を奪えなかったレアルは、前半終了直前にPKをゲットし、これをロナウドが決めて、レアル・マドリーでのチャンピオンズリーグ100ゴール目を達成。
1-1で迎えた後半戦は、追加点を狙うPSGが果敢に攻めるもなかなか決定機につながらず。逆に押され気味だったレアルが終盤の選手交代からテンポを上げて、83分にロナウド、86分にマルセロが決めて3-1で勝利をさらった……というのが試合のあらましである。
この試合でのPSG軍団の動きは決して悪くなかった。
レアル相手に気合十分のネイマールは、予想どおり厳しいチャージにあい、審判からの庇護もないままピッチの上を転がりまくったが、随所で「さすが!」の技ありパスやドリブルを繰り出し、ムバッペもそれほど見せ場はなかったが、このビッグマッチにひるむことなくいつもの冷静なプレーができていた。
しかし大きくまとめて2つの問題点が、彼らから勝利のチャンスを奪った。