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Jリーグ 7年前

カギ握る内田篤人。アントラーズが取り戻すべき“鹿島らしさ”。まさかの無冠からの逆襲へ

text by 藤江直人 photo by Getty Images

憧れのレジェンドがライバルに変わる

 後半途中から右サイドバックに入り、努力の賜物として精度をあげてきたクロスをアントラーズにもたらす。それまで右サイドバックを務め、攻撃センスに長けた西大伍(30)を一列前にあげる攻撃パターンも確立されたなかで、憧れのレジェンドがライバルに変わろうとしている。

「2、3年前の自分だったら確実に逃げていたと思う」

 人見知りが激しい自身の性格を踏まえながら、いま現在は違うとばかりに伊東は笑顔を浮かべる。年末に行われた契約更改の席上で、安西と同じニュアンスの言葉を鈴木常務取締役の前で発している。

「正式に発表される前から、(内田)篤人さんが移籍して来ることは何となくわかっていたけど、それでも引き続き鹿島でプレーしたいという思いは1ミリも変わらなかった。篤人さんという大きな壁ができましたけど、自分にとっては絶対にプラスになるはずなので」

 今オフの大きな注目を集めた、実に7年半もの時空を越えた内田の復帰。ヨーロッパがオフとなる夏に帰国し、茨城県鹿嶋市内のクラブへ顔を出すたびに、内田へ「そろそろじゃないか」と移籍を促してきた鈴木常務取締役は、内田をして「今回は本気だと思った」と言わしめた理由をこう明かす。

「向こう(ドイツ)での状況と、こっちの状況がちょうど噛み合ったのかなと」

 2015年6月にメスを入れた右ひざは完治に近づいていたものの、筋肉系の細かいけがなどもあり、内田は昨夏に移籍しウニオン・ベルリンで出場機会を得られなかった。一方のアントラーズも、右サイドバックが伊東だけになる状況を迎えようとしていた。

 昨シーズンの最終節の前半途中で、右ひざの内側側副じん帯を断裂。全治4ヶ月と診断され、復帰へ向けて懸命なリハビリを積んでいる西は、鈴木常務取締役によれば「今シーズンは前(のポジション)でプレーしたい意向をもっている」という。

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