C大阪戦から中2日で迎えた上海上港戦
「全員の戻る意識、粘り強さというところはキャンプから多少気にはなっていて、取り組んでいたが、やはり質の高いチームとやるとそういうところがハッキリ出てしまった。ただ、意識でずいぶん変わると思うので、もう一度意識を持たせることが一番大事になってくるかなと」
FUJI XEROX SUPER CUP 2018のセレッソ大阪戦後、川崎フロンターレの鬼木達監督はこう振り返っている。攻撃が特徴の川崎Fだが、J1制覇の一因となったのは守備面の成熟だった。しかし、埼玉スタジアムでのゲームでは思うように発揮できていなかった。
この試合から中2日で、チームは上海上港戦を迎えた。
川崎Fは9分、大島僚太が左サイドにスルーパスを送ると、登里享平がスピードを活かして走り込む。戻ってきた相手とPA内でもつれて倒れるも笛は鳴らない。左サイドバックでスタメン出場の登里は守備でも奮闘。対峙したフッキに粘り強く対応し、ボールを奪って見せた。
前線の『個』が際立つ上海上港は14分、サイドチェンジを右で受けたフッキが中に持ち込む。しかし、谷口彰悟に行く手を阻まれた。それでも、先にゴールを奪ったのはアウェイチームだった。23分、左クロスをエウケソンがトラップから右足ボレーを放つと、これが決まって先制に成功。川崎Fはクロスに対して谷口が懸命にジャンプするも届かず、シュートに対してチョン・ソンリョンが反応したが、防ぐことができなかった。
ビハインドを背負ったJ1王者は30分、間で受けた中村憲剛が浮き玉のパスを裏に送る。家長が走り込むも、追いつく前に相手にクリアされた。3分後にはビッグチャンスを迎える。大島が右に展開するとエウシーニョの折り返しを中村がヘディングで狙う。流れるような攻撃からフィニッシュに繋げたが、渾身のヘッドはGKのビッグセーブに阻まれてしまった。中村は試合後、「あのヘディングを決められなかったのはチームに申し訳なかったと思う。あれが決まっていれば流れをこっちに持って来られた」と悔しさを浮かべた。