5年ぶりのタイトル獲得へ。アジア制覇への強い思い
今季のチーム編成を端的に見れば、ACLを並行して戦えるだけの陣容を揃え、アジアを獲りにいく姿勢を強く打ち出した。それと同時に、選手の顔ぶれと移籍の傾向からは、クラブが目指す中期スパンのビジョンが明確化された。
さて、この充実の陣容をしたがえて、今季の柏は国内外の戦いに挑む。そこで懸念されるのは、過去ACLプレーオフから出場したチームはリーグ戦では例外なく苦しむ傾向にあるということ。特に今年の柏は、1月30日にプレーオフを戦ったため、オフが短く、シーズン中に選手のフィジカル面に大きな影響を及ぼす可能性は否めない。
ただ、柏はプレーオフから出場するのは2015年に次いで2度目である。3年前の経験を糧にできれば、違った結果を導き出すのも不可能ではないだろう。下平監督は「厳しいシーズンになるのはわかっている。コンディションの良い選手を見極めて起用していきたい」と話しながらも、1月30日のプレーオフに勝利した試合後の会見で、「アジアチャンピオンになりたい」と志の高い目標を公言した。
また別の機会では、ACLベスト8まで勝ち進みながらリーグ初制覇を果たした川崎を例に挙げ、「ACLとリーグ戦の両立は可能だと思っている」と意気込みを口にした。
目標自体は「勝ち点60」と、あくまで来季のACL出場権獲得だが、昨季の戦いを通じて、柏の若武者たちは間違いなく“優勝”を現実的な目標に捉えているはずだ。
柏が狙うは、5年ぶりのメジャータイトルの獲得である。
(取材・文:鈴木潤)
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