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Jリーグ 7年前

C大阪は誰が出ても強い。J1王者を撃破、誇示した安定感と完成度

FUJI XEROX SUPER CUP 2018が10日に行われ、セレッソ大阪が3-2で川崎フロンターレを下した。今季のJリーグ開幕を告げる同大会、両チームは収穫と課題を持ち帰っている。(取材・文:青木務)

text by 青木務 photo by Getty Images

完成度の高さを見せたC大阪

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完成度の高さを感じさせたC大阪【写真:Getty Images】

 決してコンディションが万全だったわけではないだろう。川崎フロンターレは13日に、セレッソ大阪は14日にAFCチャンピオンズリーグ初戦を控えている。

 共に控え選手5人を起用したように、ここまでのチームの仕上がりを確認することもテーマだったはずだ。そうした中で完成度の高さを感じさせたのがC大阪だった。

 尹晶煥監督が率いるチームは、試合開始から小気味よくパスをつないで攻め手を伺う。松田陸、水沼宏太の右サイドが走力を活かして攻守に奮闘し、左サイドでは複数の選手が絡みながらゴールに迫っていく。

 山村和也、清武弘嗣、柿谷曜一朗が距離を保ちながらボールを動かし、左サイドバックの丸橋も加勢して厚みを生んだ。そして、最前線の杉本健勇がフリーになるとそれを見逃さず、タイミング良く縦パスをつける。常にゴールを目的としたボールワークを見せた。

 一方で川崎Fは、前線の動き出しや周囲のサポートが少ないため、ボールホルダーが苦し紛れにパスを出しては奪われていた。それでも、失った直後の切り替えは速く、その場で取り返そうという姿勢は見られた。

 攻撃の糸口を掴めないJ1王者を尻目に、天皇杯覇者は相手ゴールに迫っていく。19分、杉本がヒールで流すと、抜け出した柿谷がシュートを放つ。そして26分、右サイドから山村が低いクロスを入れると、これを収めた杉本がボールを後ろに下げる。そこに走り込んだ山口蛍が右足を振り抜き、C大阪がスコアを動かした。

 先制パンチを食らって目が覚めたか、川崎Fも33分、家長昭博のパスを受けた阿部浩之がターンから左足ミドルを放つ。37分には相手ゴール前での細かい繋ぎから、最後は中村憲剛が右足で狙った。

 後半、1点ビハインドの川崎Fは中村、森谷賢太郎に代え、大久保嘉人と大島僚太を投入する。「攻撃の力がある2人なので、しっかりボールを握ることと、あとはゴール前に人をかけるため」の起用だったと、鬼木達監督は話している。指揮官の言葉通り、彼らがピッチに入ったことで流れが変わりそうな気配はあった。

 しかし、次のゴールを奪ったのはC大阪だった。48分、GKキム・ジンヒョンのリスタートを後半から投入されていたヤン・ドンヒョンが競る。流れてきたボールを杉本が頭で繋ぐ。清武が相手より先に触って抜け出すと、GKとの一対一を冷静に決めた。

 この日2つめのアシストとなった杉本はこの場面について「狙っていた形だった」と振り返る。

「ドンヒョンは競り合いも強いので、その競った後の後ろを絶対に狙っておこうと。そう思っていた瞬間にあの場面が訪れた」

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