世界一のナンバーツー?
バルセロナはコウチーニョ獲得で夏にパリ・サンジェルマンへ移籍したネイマールの穴を埋めることができた。メッシ、ルイス・スアレス、コウチーニョのMSCになるのか、現在の4-4-2でイニエスタの後継者となるのか、いずれにしてもコウチーニョはネイマール以上の適材といえるかもしれない。
どういうフォーメーションを組んだところで、バルセロナでプレーする以上はメッシの分の守備は負担しなければならない。ネイマールがそうだったが、そうなるとゴール前へ行ける機会は減ってくる。
チャンスボールのターゲットはまずメッシ、よくてその次という存在。つまり、能力うんぬんの前にバルセロナではメッシがいるかぎりナンバーワンにはなれない。そしてブラジル代表にはネイマールがいる。こちらもナンバーワンはネイマールなのでコウチーニョはナンバーツーだ。
どちらにしてもコウチーニョが世界ナンバーワンになるには高いハードルがあるわけだが、ナンバーツーを目指すならむしろ好都合といえるかもしれない。メッシ、ネイマールを助けつつ、彼らのパスを受ける恩恵もある。自分のパスも生かしてくれる。
ネイマールはナンバーワンを目指してパリへ行ったが、コウチーニョには意外と二番手のほうが居心地はいいかもしれない。世界一のナンバーツーというのも悪くないと思う。
(文:西部謙司)
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