ステップと加速。トレードマークともいえるフェイント
フィリペ・コウチーニョのトレードマークともいえるフェイントがある。フェイントというほど大袈裟な動作ではないのだが、右足を右側へ小さく踏み出してから、右足のインサイドで左方向へ持ち出して加速するドリブルだ。
右足を踏み出すことで、左方向への体重移動がスムーズにできる。最初から左へ行くよりもパワーが使える。フェイントの意味よりも、そちらのほうが大きいかもしれない。ただ、理屈はそうなのだがコウチーニョのスタートダッシュの速さがすべてだろう。
リオネル・メッシやネイマールにしても、どうしてあんなに簡単に抜けるのか不思議なぐらいで、しかもだいたいそんなに凄いフェイントは使っていないのだが、もう単純に速いのだ。
もう1つあげるなら心理戦の上手さかもしれない。コウチーニョは右足アウトで右方向へ抜くドリブルも持っているので、対峙する相手はどちらが来るかわからない。そういう相手の心理、ないしは動きを見極める。
ドリブルの上手な選手はタッチが上手い、速い、バランスがいいという要素のほかに、相手の心理やちょっとした動きを読む目が優れている。目というよりも感覚に近いのだろう。自分の間合いに入れてしまえば、相手の動きが勝手にわかってしまう。
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