本田が語る壮大な夢
勢い良くスタートしたアフリカでのプロジェクトだが、当然苦労も多い。提携するアカデミー探しも一筋縄ではいかず、現地有力者から金銭を要求されることも少なくない。「チャリティ」という概念をなかなか理解してもらえない。それでも、現地で奮闘する二村からは弱音は出てこない。
「大変ですけど、それはわかっていたことですからね。それよりも、子どもたちがどんどん上達していく姿や、シューズもないのに楽しそうにボールを追いかけているのを見ると、疲れなんて吹っ飛ぶんですよ」
真っ黒に日焼けした肌から白い歯がこぼれる。今後2年間はこのプロジェクトに身を埋める。
本田は「世界中の子どもたちに夢を持つきっかけを与えたい。夢を持つと人は強く大きくなれる。それが世界を変えるきっかけになると思う」とも語っている。二村らはその願いを受け止め、アフリカでまい進する。壮大なプロジェクトは、まだ小さな一歩を踏み出したばかりだ。
(取材・文:植田路生)
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