支援企業が魅力を感じた理由
現在いくつかある支援企業の中で真っ先に手をあげたのがじげんだ。同社は「アルバイトEX」「賃貸スモッカ」などの求人や住宅情報サイトなどを運営するIT企業。「Car-Tana」という海外の顧客向けに中古車を販売するサイトも運営しており、このアフリカ・プロジェクトの冠に「Car-Tana」の名をつけた。
同社での担当は前述の澤木と小澤直樹だ。2人ともアフリカでのビジネスの経験があり、現在はじげんで自動車販売サイトの運営に携わっている。プレゼンを受けるとすぐに動き出した。
アフリカというキーワード、また本田圭佑という存在もフックになった。本田の遠慮ない発言や挑戦する姿勢には2人とも共感している。加えて、澤木と坂本コーチとの電撃的な出会いも大きな要因となった。坂本のアフリカの子どもたちへの純粋な気持ちを知っている澤木は「なんとか協力したい」と熱っぽくなった。
ただ、すぐにゴーサインが出たわけではない。同社はコスト管理に厳しく、「Car-Tana」スタート時もより費用対効果を求められた。「ビジネスとして未知数のアフリカでスポンサーになって何が得られるのか」と上司からは合理性を求められた。当然だが、熱量だけで押し切れるわけではない。
澤木と小澤は統括の二村とともに必死でプランを練り上げた。同社にとってのメリット、認知上昇の予測などを綿密に立て、広告を打つことで得られる効果をデータで可視化することで上司も納得をし、OKが出た。定期的に効果が出ているのか厳しい目で見られてはいるが、ひとまずスタートできた。
ソルティーロとの契約は2年を予定している。同社にとっては「Car-Tana」の認知が広まることが1つのポイントになる。「このプロジェクトが成功して、同時に我々のビジネスも成功して、2年後にさらに長期的なスポンサー契約を締結し、スクールからプロサッカー選手を排出させたい」と2人は声を揃える。
既に現地の主要メディアは、同プロジェクトを取材。TVや新聞、WEBなどで紹介しているという。認知度アップという点では一定の成果をあげていると言えるだろう。