新潟から柏へ。さらなる成長への渇望
「もっともっと成長しないといけないという思いがありました。自分の色はどのチームでも出せるという自信がある中で、僕に足りないものがレイソルにあると思っています。移籍する決断については、そういうのがきっかけでもありました」
Jリーグ屈指のボールハンターに成長した小泉慶は、移籍の決め手を述べた。
「去年からの継続の部分であったり新しい選手も入って、去年とは違う色が出ている」
下平隆宏監督はここまでのチームの仕上がりに手応えを口にする。そして、小泉も自身に『新たな色』をつけ加えようとしている。
2014年、流通経済大学付属柏高校からアルビレックス新潟に入団すると、1年目からJ1で26試合出場を果たす。着々とキャリアを積み重ね、昨季はそれまでレオ・シルバ(現鹿島アントラーズ)がつけていた背番号8を継承している。クラブの期待に応えるように、小泉はボランチや右サイドバックで印象的な活躍を見せた。副キャプテンも務め、腕章を巻いてピッチに立つことも度々あった。
だが、新潟はJ2降格の憂き目にあう。高卒から育ててくれたクラブへの恩も愛着ももちろん感じているが、小泉の胸に込み上げてきたのは、さらなる成長への渇望だった。
そして、22歳のMFは自身初めての移籍を決断する。AFCチャンピオンズリーグとJ1のタイトル獲得を目指す柏レイソルの一員となり、新潟時代と同じ8番を背負って戦うことになった。小泉に移籍を決めた要因を尋ねた時、彼は「そうですね・・・」と言って少しの間黙ってしまった。再び話し始めると自分の考えをスラスラと口にしたが、あの沈黙に古巣への愛情が感じられた。
成長を求めて柏に加入したファイターは、4日に行われた千葉とのちばぎんカップにフル出場を果たした。この90分間で小泉は、自身の長所を発揮しながら課題も認識している。