アビスパ福岡に新加入したトゥーリオ・デ・メロ【写真:Getty Images】
アビスパ福岡は、ブラジル全国選手権1部のシャペコエンセからFWトゥーリオ・デ・メロを完全移籍で獲得した。チームの絶対的エースだったFWウェリントンがヴィッセル神戸へ移籍し、新たなストライカーの補強が急務となっていた。
身長193cm体重90kgとJリーグ屈指の大柄な体格を誇り、ゴール前でのパワープレーで桁違いの破壊力を発揮するデ・メロ。クロスボールに対する競り合いの強さはずば抜けており、体を投げ出してでもボールをゴールにねじ込むその姿は迫力満点だ。また、その巨体からは想像できないほど足もとの技術が高いため、ポストプレーの上手さも大きな武器としている。
ブラジルの名門アトレチコ・ミネイロの下部組織で育ったデ・メロは2003年、当時18歳でトップチーム昇格を果たす。だが出場機会には恵まれず、翌年にデンマークのオールボーに期限付き移籍した。欧州で経験を積んだ同選手は2005年に完全移籍で加入したフランス1部のル・マンで元日本代表の松井大輔とともにプレーした。
デ・メロのキャリア絶頂期はフランス1部リールに所属した2008年から2014年までだろう。当時のチームにはエデン・アザール(現チェルシー)やジェルビーニョ(現河北華夏幸福)といった選手がおり、リュディ・ガルシア監督(現マルセイユ)に率いられて黄金期を迎えていた。デ・メロ自身は常に主力というわけではなかったが、リーグ戦と国内カップ戦の2冠を達成した2010/11シーズンは公式戦44試合に出場して主力としてチームに大きく貢献した。 リールでの公式戦出場はもちろん通算100試合を超えている。
2015年にシャペコエンセへ加入したデ・メロは1シーズンを過ごした後にスポルチ・レシフェへ旅立つが、2017年は前年の飛行機墜落事故によって多くの選手を失った古巣へ復帰。再出発を図るチームでデ・メロは背番号10をまとい、クラブの復興に尽力した。
昨季のJ1昇格プレーオフで名古屋グランパス相手に惜しくもJ1昇格を逃した福岡は、今季こそ昇格との強い意気込みで前線を強化した。欧州でも南米でも実績十分のデ・メロは 、豊富な経験と優れた得点力を生かしてチームを高みへと導けるだろうか。
(データ提供:Wyscout)
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