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原口元気も離脱。危険な「脳振とう」、どうケアすべきか? 重度の障害招く恐れ

text by 山下祐司 photo by Getty Images,Yuji Yamashita

手本となるラグビー界での対策。90%以上を見分けた例も

ヘディング
「ヘディングはサッカーの大切なプレースタイル。ただしリスクを減らす余地はまだある」と大橋医師は語る(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

 小学生のころからサッカーを続けてきた大橋医師は「ヘディングはサッカーの大切なプレースタイル。ただしリスクを減らす余地はまだある。奮闘する選手をサポートするためにも脳振とうの危険性が明らかになりつつある今、見過ごすわけにはいかない」と語る。

 大橋医師は、選手を守るために新たなルールを設けたラグビーの取り組みは手本になると話す。ラグビーはルールを整備し、世界のトップレベルでは試合中に脳振とうになった選手のうちの約90%以上を見分け、選手のために交代させた。

 それは試合を公正に判断できる中立的な医師を配置し、脳振とうの疑いがあれば試合を一時的止められる権限を持たせたからだ。試合中の脳振とうを調べるために最大で10分間の選手交代をともなう一時退場も許される。この最大で10分も、復帰を急ぐ不十分な診断を避けるために最低10分への変更を予定している。

「ルールも文化も脳振とうの頻度も違うため、ラグビーのような抜本的な変更は難しいだろうが、環境整備で対応できることもある。選手、そして今後のサッカーのために脳振とう対策は不可欠です」

 FIFAが導入した3分間ルールと復帰プログラムまで含めた脳振とう対策がアマチュアまで広く知れわたること。そして3分間ルールが脳振とう対策のファーストステップとしての位置づけとなるような、対策の進展を期待したい。

(取材・文:山下祐司)

【了】

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