メッシ不在で課題浮き彫りに。過密日程をどう切り抜けるか
バルセロナは反撃に出ようとするも、悪化するばかりのピッチ状態が影響したか本来のパスワークやコンビネーションを発揮できない。それでも、82分にピケがメッシのフリーキックにヘディングで合わせ、なんとか同点とすることに成功した。あわや敗戦の危機を救ったのは、先発のチャンスをもらった両サイドバックやコウチーニョ、パコ・アルカセルといった選手たちではなく、ベンチスタートになっていたメッシだった。
1-1という結果で試合を終わらせたバルセロナは、リーグ開幕から22試合連続無敗のクラブ新記録を樹立した。これからこの記録をどこまで伸ばしていけるかどうか。過密日程の中で選手のやりくりも必要になるが、絶対的支柱メッシにかかる負担をどう軽減していくかは大きな課題として残る。
また、本来選手交代のプランニングでは上位の選択肢にならないサイドバックを2試合連続で2人とも交代させなければいけなかったこと。彼らの存在が出ずっぱりになっている他の選手たちの休息時間を奪うことになるだけでなく、戦術的に必要な交代カードを切れなくなってしまう事実も見逃せない。
N・セメドとディーニュが戦力として計算できないとなれば、セルジ・ロベルトやジョルディ・アルバにかかる負担は重くなる。加えてターンオーバーを敷いた際、サイドバックに交代枠を使わなければならない状況は戦術的な選択肢を大きく狭めてしまう。
今季4度目となった同じ都市のライバルチームとのダービーマッチを通して、バルセロナはメッシという唯一無二の存在、そしてそれを最大限に活かすシステム、選手起用の重要性を再認識させられた。
そして、今後もメッシを主役とした4-4-2が継続的に採用されることが予想される。また左のウィングとして高水準のプレーを披露したコウチーニョを今後どのようにチームに組み込んでいくか、という新たな問題も浮き彫りになった。
(文:長坂祐樹)
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