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Jリーグ 7年前

鹿島で躍動する内田篤人。コンディションは良好、「背番号2」が早くも示す存在感

text by 藤江直人 photo by Getty Images

才能豊かな後輩たちの姿に感じた頼もしさ

 昨シーズンにアルビレックス新潟から加入し、中盤の底で必要不可欠な存在となっているレオ・シルバだけではない。鹿島アントラーズユースから昇格して4年目の21歳で、スーパーサブからレギュラーの一角を狙うFW鈴木優磨との可能性も感じさせた。

 1‐1で迎えた63分。直前にFWペドロ・ジュニオールに代わって投入されていた鈴木が、敵陣の中央でボールを受ける。数人の相手に囲まれながらもボールをキープしている間に、内田はスルスルとポジションを上げていった。

 その姿を視界の片隅にとらえていたのだろう。相手を引きつけたうえで、鈴木が絶妙の横パスを右サイドへ通す。そのまま駆けあがった内田は、ペナルティーエリアに入ったところで左へ急旋回。シュートコースが空いたのを見極めたうえで、左足を一閃した。

 ゴール右隅を狙った一撃はやや当たり損ねたこともあって、後半開始から出場していたキーパーの本間幸司に横っ飛びでキャッチされてしまった。それでもシュートに至る過程が、未知の選手たちと知り合えている手応えが内田の表情を綻ばせる。

「アイツ(鈴木は)ボールも要求するけど、いいポイントというのもやっぱりわかっているからね」

 69分からは遠藤に代わって、東京ヴェルディから完全移籍で加入した安西幸輝が投入された。登録はディフェンダーで、内田と同じ右サイドバックを本職とする22歳は、攻撃的なセンスを買われて右サイドの攻撃的なポジションでも試されている。

 ジュニアからヴェルディひと筋で育ってきた安西は、いつしか目標とする右サイドバックとして内田の存在を掲げるようになった。はからずも憧れの存在と、同じ時間を共有できるようになった1月の宮崎キャンプ。安西は勇気を出して内田に尋ねた。

「海外でどのように守備をしていたのかが聞きたかった。外国人の動かし方ってすごく難しいと思うんですけど、すごく上手くやっていたので。そのときに右サイドで篤人さんが後ろにいるときには、僕の背中で相手のパスコースを消しながらディフェンスをしてほしいと言われました」

 事前に意思の疎通がしっかりと図られていたこともあって、右サイドで縦の関係を築きあげたホーリーホック戦の69分以降も混乱をきたすことはなかった。迷いや不安がなかったからこそ、安西の攻撃力がより輝きを放つ。

 79分には3‐3の同点に追いつくボレーを決めたのが安西ならば、86分のDF山本脩斗の決勝ゴールをアシストしたのも、内田がベンチへ下がった後は右サイドバックに回っていた安西だった。

 自らとの交代でピッチに入り、攻撃にアクセントを加えた2年目のMF安部裕葵を含めて、才能豊かな後輩たちの躍動する姿に内田も頼もしさを感じている。

「アイツ(安西)は前のポジションでもいけるからね。(安部)裕葵を含めて、ボールをもってから相手に突っかけられる。2人とも小さいけど、右も左もできるのですごく面白いんじゃないですか」

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