フットボールチャンネル

香川真司 7年前

香川真司とホットライン開通も。ドルトムントの新エースがもたらした自信と希望

text by 本田千尋 photo by Getty Images

勝ち切ったドルトムント。新エースがもたらした自信

香川真司
香川真司とバチュアイ、ドルトムントに新たなホットラインが生まれるか【写真:Getty Images】

 60分、ジモン・ツォラーに1点を返されたが、その2分後、すかさずゴールを奪い返したのは、またもバチュアイ。クリスティアン・プリシッチのパスに抜け出すと、右足で冷静に押し込んだ。スタンドの一角を占めたファンの下へ、勢いよく駆け寄る“新エース”。

 香川は「チームというものにはエースが必要」と言う。

「やっぱオバ(ピエール=エメリク・オーバメヤン)が抜けた分、そこは絶対に必要ですし。彼(バチュアイ)中心のサッカーになってもおかしくないと思うし。それくらい影響力が強いチームのストライカー。そういう意味では、彼をうまく生かしながらやれれば、本当に違った色、いろいろな形を生み出していけるんじゃないかなと思います」

 初出場で2発と結果を残したバチュアイとは対照的に、チームの守備は今ひとつ安定しなかった。69分、CKからホルヘ・メレにヘディングで決められ再び同点に追いつかれてしまう。漂う4戦連続ドローの予感。しかし、この日のドルトムントは違った。そのまま終わることはなかった。

 84分、カウンターで相手のゴールに迫るBVBの選手たち。中央で香川からボールを貰うバチュアイ。ベルギー人FWは、右サイドを上がるシュールレにパス。ドイツ代表ウインガーは右足できっちりと決め切った。3-2。ドルトムントは後半戦に入ってから、ようやく初白星を手に入れた。

 香川は「勝ち切ったことは何より自信を与えてくれる」と言う。

「やはり雰囲気は違いますし、手に入れる自信というものが違ってくると思います」

 もちろん守備面で、まだまだ改善する余地はある。試合全体を通せば、素早く攻守の切り替え、引くべきところは引くなど、チームの守備の意識は高かったが、数少ないチャンスを確実に決められてしまう。

 それでも新加入のバチュアイが、さっそく2ゴールを決めて勝ち切ったことは、やはり大きいだろう。新参者が結果を残したからこそ、停滞の打破と、勢いに拍車が掛かる。ドルトムントに希望を抱かせるには十分な、“新エース”の活躍だった。

(取材・文:本田千尋【ケルン】)

【了】

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!