森岡亮太(右)の加入でアンデルレヒトは予算不足に? ミトロヴィッチ(左)の獲得は見送りか【写真:Getty Images】
日本代表MF森岡亮太を獲得したベルギー1部の名門アンデルレヒトは、冬の移籍市場最終日にもう1人の大物を狙っていた。
かつて同クラブでエースとして活躍し、現在ニューカッスルに所属しているセルビア代表FWアレクサンダル・ミトロヴィッチがそのターゲットである。しかし、あと一歩のところで再獲得に失敗してしまったようだ。英『スカイ・スポーツ』が報じている。
アンデルレヒトはニューカッスルで出場機会に恵まれないかつてのエースを、期限付き移籍で迎え入れる準備を進めていたという。現在チーム内得点王のナイジェリア代表FWヘンリー・オニェクルが長期離脱中で、エース級の活躍が期待された在籍2年目のポーランド代表FWウカシュ・テオドルチュクは大スランプに陥ってわずか4得点と苦しんでいる。
フィニッシュの局面で頼りきりだったキャプテンのソフィアンヌ・ハニもスパルタク・モスクワへ移籍。ミトロヴィッチの復帰にかかる期待は大きかった。だがギリギリのところで頓挫してしまった。その理由は、なんとアンデルレヒトの「予算不足」だとのこと。
期限付き移籍でもニューカッスルはアンデルレヒトに対して「レンタル料」を要求していたとみられる。しかし、ベルギー王者といえどもこれを賄うだけの予算がなかった。森岡獲得のためワースラント=ベフェレンに対して300万ユーロ(約4億円)を支払ったとされているが、これで予算が尽きてしまったのだろうか。ミトロヴィッチ獲得のために売却予定だった他の選手の交渉が失敗に終わってしまったことが原因とも報じられている。
現在3位に甘んじているアンデルレヒトにとって、リーグ優勝を決めるプレーオフを見据えて前線のパワーアップが必須だった。ミトロヴィッチには2014/15シーズンにベルギー1部で37試合出場20得点を記録してリーグ得点王に輝いた実績があり、チームの救世主になれる可能性もあった。
用意していたプランが崩れてしまったことで得点力の劇的な改善は見込めなくなってしまったが、これが今後の戦いにどれほどの影響を与えるか。新加入の森岡の肩にかかる重責がより大きくなったと言えるかもしれない。
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