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韓国、“死の組”で失望からの再出発。大黒柱ソン・フンミンとともに名誉回復なるか【ロシアW杯全32チーム紹介】

6月14日に開幕する2018FIFAワールドカップロシア。グループリーグの組み合わせも決定し、本大会に向けて期待感は高まるばかりだ。4年に一度開催されるサッカーの祭典には各大陸予選を勝ち抜いた32チームが参加する。フットボールチャンネルでは、その全チームを紹介していきたい。今回はグループFの韓国代表を取り上げる。(文:キム・ドンヒョン)

シリーズ:ロシアW杯全32チーム紹介 text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

後味の悪いW杯出場権獲得。国民からの信頼は失墜

ソン・フンミン
韓国代表は大黒柱ソン・フンミンとともにロシアW杯へ【写真:Getty Images】

【韓国代表】
FIFAランキング:60位(2017年12月)
監督:シン・テヨン(2017年7月~)
最高成績:ベスト4(2002年日韓大会)
アジア最終予選グループA 2位通過

 韓国代表ではロシアワールドカップのアジア最終予選期間中に監督が替わる事態に陥った。ウリ・シュティーリケ監督が指揮を執った2014年から、激動の3年間を歩むことになった。

 スタートは素晴らしかった。2015年、韓国はオーストラリアで行われたアジアカップで準優勝を収めるなど結果を残した。だが、ワールドカップ最終予選は初戦から苦しい展開だった。ホームでの中国戦で3-2と白星を飾るも、守備の不安定さが露呈。直後のシリア戦でスコアレスドローに終わり、初めて監督交代が取り沙汰された。

 2016年10月6日にはカタールとのホームゲームで苦労しながら3-2と勝利。だがイラン戦では0-1でまさかの敗戦に終わり、シュティーリケ監督は解任に直面する。

 そこで韓国サッカー協会(KFA)が再びチャンスを与えるも結局改善は見られなかった。34年ぶりに中国戦を落とす大惨事や、アウェイのカタール戦で逆転負けを喫するなど悪夢が繰り返される。カタール戦の直後には「韓国にはセバスティアン・ソリア(ウルグアイ出身で現カタール代表)のようなFWがいない」という発言でシュティーリケ監督が韓国世論から強いバッシングを受けた。

 この試合の直後である昨年6月、アジア最終予選を2試合残した時点でシュティーリケ監督は解任となったが、苦しい状況に変わりはない。イランとウズベキスタンという手強い相手から勝ち点3を獲得しなければ自力でのワールドカップ出場は不可能な状態であった。

 韓国サッカーを救うべく監督の大役を任されたのはシュティーリケ体制でヘッドコーチを務めたシン・テヨンだった。彼は「とにかくワールドカップに出場させる」という目標を掲げ、チーム再建に乗り出した。

 招集できる選手はすべて集め、イラン戦とウズベキスタン戦に挑んだ。韓国はその2試合で勝ち点3以上を獲得することでワールドカップ出場が決まる状況。とにかく1勝、勝ち点3が絶対条件だった。ホームで行われたイラン戦、相手が最終ラインを極端に低くして引いてくる中、ゴールをこじ開けられずまさかの引き分け。迎えたウズベキスタン戦も0-0で引き分けてしまった。しかし、驚くべきことにシリアがイランと1-1でドローに持ち込み、韓国は紆余曲折の末、ロシア行きの切符獲得に成功した。

 だが、この後またしても激震が走った。2002年日韓ワールドカップで韓国をベスト4に導いたフース・ヒディンク監督が、再び韓国代表の指揮に興味を持っているという報道が流れた。彼はオランダで記者会見を開き、「あの時のような奇跡は難しい」としながらも「どんな形でも韓国を助けたい」という談話を発表。KFAはこの会見内容を否定したが、奇跡の立役者をもう一度見たいという世論と正面衝突した。結果的にシン監督の留任が決まったものの後味の悪い形だったのは否めない。

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