実際にPSGでアンハッピーなのは…
実際にPSGでアンハッピーなのは、今冬のメルカートで離脱の可能性があるルーカス・モウラとハビエル・パストーレのお二人さんだ。
アンハッピーな理由は両選手ともプレータイムが限られているから。今季まだ84分しかピッチに立っていないルーカスには、同じリーグ1のナントが「うちに来たらすぐにスタメンを保証!」とラブコールを送ったが、ルーカス本人は、自分のプレースタイルはリーガに合っていると感じている様子で、アーセナルやトッテナムが興味を示しているという報道もある。
パストーレは、モンペリエ戦後のミックスゾーンで、「ずっとこのクラブにいると思っていたけれど、ずっと出場機会がない状況が続いている。パリでの生活は居心地もいいので去りがたいが、プレーできる環境を望んでいる」と心境を語った。
パストーレの実力やサッカーセンスは折り紙つきで、交代要員としては質の高いパフォーマンスを発揮しているが(今季4得点)、なんとなく「器用貧乏」といった感じになってしまっていてもったいない。
怪我が多く、続けてパフォーマンスを発揮できていないことや、プレーメイカー的な役割をもっとも得意とする彼がフィットするシステムが、ここ数年のPSGにはなかったこともプレータイムが限られた要因のひとつだ。
彼の特性を生かせる戦略をもつチームに行けば、28歳の彼が活躍できる場はきっとある。
ともあれ、PSGの山場は2月14日のCLラウンド16、レアル・マドリー戦だ(於マドリード)。あちらもこのところ揺れているが、このラウンド16を突破できるか否かで、PSG、そしてネイマールの置かれる状況は変わってくる。PSGの善戦を願うなら、フランスのメディアは余計な波風を立てないに限る。
(取材・文:小川由紀子【パリ】)
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