グループ首位通過は必須。正念場は決勝トーナメント1回戦か
目標:ベスト4
ノルマ:決勝トーナメント進出
開催国ロシアが“ポット1”のA組に入ったことはかなり幸運だ。W杯に楽な相手などいないことはイタリア、イングランド、コスタリカと同組で“3強1弱”と見られながら“1弱”のコスタリカに首位を明け渡した前回大会で身にしみているだろう。それでもロシアの他にエジプト、サウジアラビアと本大会の経験が少ない国が揃ったA組で首位通過は譲れないところだ。
もっとも1位で抜けようと2位で抜けようと、順当ならB組で1位と2位の突破が予想されるスペインかポルトガルが相手になるため、この決勝トーナメント1回戦が1つの山場になる可能性が高い。チームの総合力ではスペインがやや上かもしれないが、相手の長所を消しながら隙を突く戦い方を得意とするウルグアイにとってはポルトガルの方がやりにくいかもしれない。
日程的に有利なこともあり、南米予選で合計15得点を記録した自慢の2トップが期待通りかそれ以上の結果を出し、若手がブレイクすれば夢の決勝に辿り着くことも不可能ではないが、現実的には2010年の南アフリカ大会を再現する戦いぶりでベスト4まで行ければ大成功だろう。
前述のスアレスとカバーニの2トップについては今さらここで説明するまでもないが、スアレスはスペインリーグで同僚メッシに次ぐ2位、カバーニはフランスリーグで得点王争の1位を独走しており、2月に再開するチャンピオンズリーグでも勝ち上がっている。彼らの実力に疑いの余地は無く、あとはどれだけ良いコンディションでロシア入りできるかが重要になる。
若手の台頭が著しい中盤にあって26歳という中堅の年齢ながら株価を急騰させているのがMFマティアス・ベシーノ(インテル)。派手なタイプではないが、優れた洞察力と狡猾な“デュエル”で相手の起点をことごとくつぶし、攻撃ではシンプルなパスで周囲の選手に前を向かせる。基本的には中盤のバランサーだが、セリエAの第21節ローマ戦では1点ビハインドで迎えた終盤に起死回生のヘディングシュートで同点ゴールを決めており、そうした勝負強さが短期決戦で発揮されてもおかしくない。
攻撃のアクセント役として面白いのは23歳のジョルジアン・デ・アッラスカエタ。[4-4-2]の左サイドは過去2大会に出場しているクリスティアン・ロドリゲス(ペニャロール)が健在だが、[4-3-1-2]のトップ下に天才的なパスでチャンスを作り出せるデ・アッラスカエタが起用されれば、2トップを擁する攻撃にさらなるバリエーションが加わる。
(文・河治良幸)
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