名古屋に新加入したFWジョー【写真:Getty Images】
1年でのJ1復帰を果たした名古屋グランパスが新エースとしてチームに迎え入れたのは、ブラジル代表として2014年のブラジルワールドカップにも出場したFWジョーだった。コリンチャンスに支払った移籍金は約11億円とも言われており、同選手に対する期待の大きさが伺える。
ジョーは16歳の時、ブラジルの名門コリンチャンスでプロデビューを果たすと、2005年からロシアのCSKAモスクワでプレーした。2007年にはブラジル代表から初招集を受け、その後マンチェスター・シティへ当時のクラブ史上最高額となる移籍金1800万ポンド(約38億円)で加入する。
だがイングランドでは目立った実績を残せず、 ブラジル代表からも声が掛からなくなった同選手は2011/12シーズンよりインテルナシオナルへ移籍している。ブラジルの地ではまずまずの活躍を見せ、追加招集という形ではあったものの、2013年のコンフェデレーションズカップで代表復帰も果たした。2014年ブラジルワールドカップでもブラジル代表入りを果たし、グループリーグ第2戦のメキシコ戦、さらには決勝トーナメント1回戦のチリ戦に途中出場している。
ジョー最大の特徴は身長191cmの体格を生かした対人戦の強さにある。クロスボールに対して飛び込む技術や、球際での激しさも持ち合わせているため前線の存在感は抜群だ。またフットサル仕込みのテクニックも備える同選手は前を向いて仕掛けるプレーも得意で、左足の豪快なシュートにつなげる多彩なパターンを持っている。
決定力も高く、ブラジル代表の一員として出場した2013年のコンフェデレーションズカップでは日本戦でゴールを挙げた。2013年から在籍したアトレチコ・ミネイロではロナウジーニョとのコンビで名を馳せ、同年にコパ・リベルタドーレスで7得点を挙げてクラブの南米王座獲得に大きく貢献。
その後に移籍したUAEや中国では荒んだ私生活の影響もあって低迷したが、2017年より復帰したコリンチャンスではブラジル全国選手権1部で18ゴールを挙げ得点王と年間MVPに輝くなど、目に見える結果を残して復活を印象づけている。
昨季はクラブ史上初のJ2を経験した名古屋。FWシモビッチを失ったが、ジョーにはその穴を埋めるだけの力がある。サッカー王国ブラジルからやってきた歴戦のストライカーは、「オリジナル10」の一角である名門を再び頂点へと導けるのだろうか。
(データ提供:Wyscout)
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