SPAL戦でも長友は起用されず
かくしてスパレッティ監督は、SPAL戦でも長友ではない選手の選択をした。サイドバックには最近の試合で好調をキープしていたジョアン・カンセロに、故障から復帰したダニーロ・ダンブロージオ。ただメディアの予想に反し、左サイドバックでのプレイ実績があるダンブロージオを右に置き、カンセロを左に回したのである。
「今後は選手の選択を間違えないようにしたい」と前日の会見で語っていたスパレッティ監督だったが、果たしてこの選択が正しかったのかどうかといえば、実際の試合を見る限りでは微妙だった。
パスは度々ミスをし、守備ではカバーに入っておらず対面のアウトサイドの選手がフリーになっていた。これまでの右サイドバックとしては大きな問題が見られなかった部分なだけに、サイドを入れ替え視野を変えた際の不安定さが余計目についた。
挙げ句の果てに試合終盤のセットプレーでの守備では、ミルコ・アンテヌッチにかわされて得点につながるラストパスを出されている。
もっともその一方、攻撃では左サイドから器用にクロスを上げて、オウンゴールを誘っている。前半には中へとドリブルで切り込むような姿勢しか見せていなかったが、後半はイバン・ペリシッチとポジションを入れ替えながら積極的に前線へ飛び出してもいた。
ただやはり攻守のバランスのバランスが取れているとは言い難く、これならばダンブロージオを左に、カンセロを右に使ったほうが安定したのではないかという印象だった。
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