「勝ちきれない流れ」を断ち切るために見習うべきはフライブルク
香川は「負けに等しい引き分け」と振り返る。依然として「流れ」は良くはない。
「バイエルンもそうですけど、(1試合につき)2、3回の確率でチャンスは作られる中で、こういう流れで入っちゃうっていうのは、一つの勝ち切れていない流れがチームとしてやっぱりありますし、それは目に見えないもので、ただそれを埋めていくためには、そういうところでより僕たちが細かいところでこだわってやらないと。そういう流れなのでね。やっぱりそれはどうにかしていかないといけないですし、本当に改めてしっかり次に向けて、こういうものなんだと、サッカーがね、すごい肌で感じたし、ああいうのが入っちゃうんでね。それがやっぱり選手が一人ひとり感じたと思うので、それを繰り返さないように、頑張ります」
確かにペーターセンのループシュートは、滅多に決まる類のものではない。ブンデスリーガで圧倒的な強さを見せつける「バイエルン」でも、「(1試合につき)2、3回の確率でチャンスは作られる」。ボール支配率100%を達成できるチームは、この世界に存在しない。そのわずかで難易度の高いチャンスを決められたのは、運が悪かったとも言える。
しかし一方で、香川の目の前に、トルヤンの目の前に、ボールはこぼれてきた。決して「流れ」は悪い方に傾いてしまったわけではない。運に見放されてはいない。
どっちつかずの「流れ」を引き寄せるために、背番号23によれば、やはり「勝利」が必要なのだという。
「やっぱり勝ち切らないと、そういう自信であったり、というものはついてこないと思うので、何が何でも勝てるように、できたら一個状況が変わると思うんで、勝ち切って、まあ怪我人が帰ってくる中で、そういうものを良い方向にできたらいいかなと思います」
そのために手本とすべきは、どちらかというと「バイエルン」ではなく、「フライブルク」なのかもしれない。
(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)
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