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代表 7年前

分離独立後初のGL突破へ。攻守の要マティッチ擁するセルビア、豊富な人材と卓越した技術力【ロシアW杯全32チーム紹介】

6月14日に開幕する2018FIFAワールドカップロシア。グループリーグの組み合わせも決定し、本大会に向けて期待感は高まるばかりだ。4年に一度開催されるサッカーの祭典には各大陸予選を勝ち抜いた32チームが参加する。フットボールチャンネルでは、その全チームを紹介していきたい。今回はグループEに入ったセルビア代表を取り上げる。(文:河治良幸)

シリーズ:ロシアW杯全32チーム紹介 text by 河治良幸 photo by Getty Images

青年指揮官によりベテランと若手を融合した新チームに

ネマニャ・マティッチ
セルビア代表のネマニャ・マティッチ【写真:Getty Images】

【セルビア代表】
FIFAランキング:36位(2017年12月)
監督: ミラデン・クルスタイッチ(2017年12月~)
2大会ぶり2回目の出場(セルビアとして独立後)
最高成績:グループリーグ敗退(2010年南アフリカ大会)
欧州予選グループD1位通過

 ウェールズやアイルランド、オーストリアと同居した予選を堅実に戦い抜き、2大会ぶりに本大会へ導いたスラボリュブ・ムスリン前監督がまさかの解任。その後はブレーメン、シャルケなどで活躍した元代表DFのミラデン・クルスタイッチが暫定で率いていたが、昨年11月の中国(2-0で勝利)、韓国(1-1で引き分け)との親善試合をへて12月に正式就任。43歳の青年監督が本大会に臨むチームを指揮することとなった。

 ムスリン体制でアシスタントコーチをしていたクルスタイッチだが、前任者が主に採用してきた3バックから4バックに変更されそうだ。攻撃でも守備でもブロックを組みながら広い展開でサイドを崩すスタイルが基本型となる。中盤はアンカーを置く[4-1-4-1]がメインになりそうだ。動量、経験、技術の三拍子が揃うネマニャ・マティッチ(マンチェスター・ユナイテッド)がアンカーを担う。

 左右のウィング(サイドハーフ)はデュシャン・タディッチ(サウサンプトン)とフィリップ・コスティッチ(ハンブルガーSV)のレギュラー二人に加え、期待の新鋭アンドリヤ・ジブコビッチ(ベンフィカ)などが控え、中盤のマルチロールであるミヤト・ガチノビッチ(フランクフルト)、トップ下が本職のアテム・リャイッチ(トリノ)もオプションだ。

 前線は予選6得点の189cmアレクサンダル・ミトロビッチ(ニューカッスル)を筆頭に191cmのアレクサンダル・ブリヨビッチ(PAOK)、アンドリヤ・パブロビッチ(コペンハーゲン)とパワフルな長身選手を揃える。細かい特徴は異なるが、みなターゲットマン型のFWであるため、クルスタイッチ監督としてはここに“本番仕様”のオプションとしてスピードに突破したタイプなどを加えていくか注目される。

 一人一人の技術が高く、体格的にも“デュエル”で優勢になりやすいセルビアは流動的に細かくつなぐより、基本的に適度な距離を保ちながら素早くつなぎ、サイドから崩す攻め方を繰り返す。中国戦では中盤でボールを拾ったところから左に展開し、コスティッチが上げたクロスをエリア内で受けたタディッチがシュート。GKに弾かれたボールをリャイッチが決めた。まさしく狙いどおりの得点であり、コスタリカやスイスとの対戦では似た様な形が多くなるだろう。

 伝統的に自慢のセクションである最終ラインは2010年W杯の経験者でもある34歳のブラニスラフ・イバノビッチ(ゼニト)が統率役となり、バランス感覚に優れるマティヤ・ナスタシッチ(シャルケ)が獅子奮迅の働きでラインを支える。左右のサイドバックは右のアントニオ・ルカビナ(ビジャレアル)、左のアレクサンダル・コラロフ(ローマ)という攻撃力の高い選手を揃えるが、ブラジルの様な“格上”が相手の場合はCBを本職とするヤゴシュ・ブコビッチ(オリンピアコス)やニコラ・マクシモビッチ(ナポリ)のサイド起用もオプションになるかもしれない。

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