ジョー獲得の名古屋。J1昇格即優勝も夢ではない
25歳のシルバは、昨季のレッズにおいて成功と失敗の境目で違いを生んだ選手だった。何度も魔法のようなプレーや決定的なフィニッシュで試合結果を変えてきた。特にACLでは、決勝セカンドレグでの見事な一撃も含め、最後の3試合でいずれもゴールを決めてみせた。彼を失えばクラブには大きな穴が空くことになるが、適切な代役を見つける時間はあまり残されてはいない。
武漢からの関心をもう少し早く知りたかったと浦和は望んでいることだろう。そうすれば、名古屋がコリンチャンスから引き抜いた元CSKAモスクワ、マンチェスター・シティのFWジョーの獲得を争うこともできていたかもしれない。
30歳のジョーは昨年のブラジル1部リーグの得点王であり、18ゴールを叩き出してチームを7度目のリーグ優勝に導いた。今年のJリーグで旋風を巻き起こすポテンシャルを持った選手だ。
風間八宏監督のスタイルらしく、守備面では脆さを感じさせる名古屋だが、攻撃陣の戦力は豊富。ジョーとガブリエル・シャビエルのコンビは国内のDFたちにとって恐怖の存在となりそうだ。彼らを中心に据えるグランパスは、J2からの復帰1年目でリーグ優勝を成し遂げた柏(2011年)やガンバ大阪(2014年)の成功の再現を夢見ることすら可能かもしれない。
昨年のセレッソ大阪もJ1復帰1年目で大きなインパクトをもたらし、ルヴァンカップと天皇杯の2冠獲得を達成した。ユン・ジョンファン監督はその成功をもたらしたメンバーに満足している様子で、選手層を厚くするため多少の補強を行った程度だ。
昨季のシーズン最終日にわずか1ゴール及ばず優勝を逃した鹿島アントラーズにも同じことが言える。レイソルも国内とアジアの2つの舞台で戦うチームだが、同様に堅実な補強で選手層を充実させることを選んだ。
具体的な予想をするにはまだ早すぎるだろう。だが現時点での趨勢を見渡せば、2018年の栄冠に挑戦する準備が特に整っているのはこれらの6チームだと言えそうだ。
(取材・文:ショーン・キャロル/翻訳:フットボールチャンネル編集部)
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