UAE1部クラブを退団して無所属だったラッサナ・ディアラがスター軍団PSGの一員に【写真:Getty Images】
フランス1部で首位を独走するパリ・サンジェルマン(PSG)は23日、元フランス代表MFラッサナ・ディアラの加入を発表した。何度も忘れられた存在になりかけた32歳が、劇的なカムバックを果たせた理由は何だったのだろうか。
仏『SO FOOT』などは、L・ディアラの置かれた状況がPSGのニーズにぴったりと合ったのではないかと分析している。
PSGはチャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメントや、重要なリーグ戦後半に向けて中盤に不安を抱えていた。ベテランのチアゴ・モッタが負傷離脱中のため起用できず、複数の大会で勝利を積み重ね続けるためにはセントラルMFの選手層が不十分なのは明らかだった。
とはいえ昨夏に獲得したネイマールに象徴されるように、大規模な投資を続けてきたPSGは欧州サッカー連盟(UEFA)が各クラブの財政健全化のために遵守を義務づけているファイナンシャル・フェアプレーの規則に抵触してしまう可能性がある。そのため冬に大金を投じての補強は不可能だった。
一方、フランス代表でも活躍し、かつてレアル・マドリーで10番を背負った経験も持つL・ディアラは昨年12月末にUAE1部のアル・ジャジーラを退団して無所属になっていた。そこに目をつけたのがPSGである。
中東でプレーしていたため、CL決勝トーナメントにも問題なく出場することができ、一定のパフォーマンスを期待できるL・ディアラは、補強ポイントを埋める存在としてうってつけだった。
マドリーを退団して以降、ロシアに渡ってアンジ・マハチカラやロコモティフ・モスクワでプレーしたことによって一度は欧州の第一線から消えた。その後2015年に加入したマルセイユで復活を印象づけたが、昨年2月に同クラブを退団して再び半年間ほど無所属に。最終的に行き着いたのは中東だった。
もはや“終わった選手”と見なされていたところにめぐってきた大チャンス。フランスメディアは「パリでの冒険は、最高レベルでの最後の挑戦」「資質を失っていないか証明しなければならない」「予測不能なキャリアを復活させよう」などと、L・ディアラのPSG加入を大きく報じた。
故郷パリに戻った32歳は、再び自らの価値を証明できるだろうか。かねてよりフランス代表のディディエ・デシャン監督からは厚い信頼を獲得しており、残り5ヶ月で好パフォーマンスを披露できれば、滑り込みでロシアW杯出場も叶うかもしれない。
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