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プレミア、“殺人的”日程問題のジレンマ。疲労蓄積の弊害、天秤にかけられる収入

年末年始が過酷日程になることで知られるイングランド・プレミアリーグ。今季はシーズン後にロシアワールドカップが控えていることもあり、例年以上の過密なスケジュールに。複数の負傷者を出したマンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督などは苦言を呈したが、カレンダーが緩和される見込みはあるのだろうか。(文:山中忍【イングランド】)

text by 山中忍 photo by Getty Images

疲労の蓄積とともに高まる負傷の発生率

年末年始の過密日程中に負傷してしまったガブリエル・ジェズス
年末年始の過密日程中に負傷してしまったガブリエル・ジェズス【写真:Getty Images】

 今季プレミアリーグも、年末年始を経て後半戦に突入した。欧州大陸側の主要リーグとは違い、ウィンターブレイクのない年末年始の定番は、過密化する試合日程と監督陣の嘆き。今季は、その双方が例年にも増して激しかった印象すらある。

 前半戦からトップ2をほぼ独占するマンチェスターの両軍においても、シティのペップ・グアルディオラが「殺人的」、ユナイテッドのモウリーニョは「超人的」と評して、クリスマス前の週末から年始にかけてのリーグ日程に抗議していた。

 両大物監督の発言を待つまでもなく、ブレイクというエネルギー充電期が訪れないばかりか、逆に試合が立て込むイングランドのシーズン折り返し地点では、前半戦の疲労が溜まっている選手の体が悲鳴を上げ始めるケースが多いことは間違いない。

 シティが中一日で2試合をこなした今季の年末年始、右SBのカイル・ウォーカーが打撲に耐えながらプレーを続け、首位独走のキーマンとも言えるケビン・デ・ブルイネが過度に激しいタックルの標的となり、デ・ブルイネのパスに呼応する立場のガブリエル・ジェズスが、膝の靭帯を痛めて涙を流すといった光景は、グアルディオラではなくとも目覆いたくなるほど、生々しく痛々しいものだった。

 同時期に複数の国内メディアで紹介された調査データによると、疲労の蓄積と結びつけて考えられる、筋肉、靭帯、腱などに関する怪我の発生率は、今季12月には前月までの平均を20%以上上回る65%に急上昇している。

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