疲労の蓄積とともに高まる負傷の発生率
今季プレミアリーグも、年末年始を経て後半戦に突入した。欧州大陸側の主要リーグとは違い、ウィンターブレイクのない年末年始の定番は、過密化する試合日程と監督陣の嘆き。今季は、その双方が例年にも増して激しかった印象すらある。
前半戦からトップ2をほぼ独占するマンチェスターの両軍においても、シティのペップ・グアルディオラが「殺人的」、ユナイテッドのモウリーニョは「超人的」と評して、クリスマス前の週末から年始にかけてのリーグ日程に抗議していた。
両大物監督の発言を待つまでもなく、ブレイクというエネルギー充電期が訪れないばかりか、逆に試合が立て込むイングランドのシーズン折り返し地点では、前半戦の疲労が溜まっている選手の体が悲鳴を上げ始めるケースが多いことは間違いない。
シティが中一日で2試合をこなした今季の年末年始、右SBのカイル・ウォーカーが打撲に耐えながらプレーを続け、首位独走のキーマンとも言えるケビン・デ・ブルイネが過度に激しいタックルの標的となり、デ・ブルイネのパスに呼応する立場のガブリエル・ジェズスが、膝の靭帯を痛めて涙を流すといった光景は、グアルディオラではなくとも目覆いたくなるほど、生々しく痛々しいものだった。
同時期に複数の国内メディアで紹介された調査データによると、疲労の蓄積と結びつけて考えられる、筋肉、靭帯、腱などに関する怪我の発生率は、今季12月には前月までの平均を20%以上上回る65%に急上昇している。