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Jリーグ 7年前

田中マルクス闘莉王が京都の若手に伝える闘争心。限界までチャレンジする覚悟【谷間の世代と呼ばれて】

シリーズ:「谷間の世代」と呼ばれて text by 元川悦子 photo by Getty Images

闘将が見出す若手選手たちの課題

 けれども、彼にはまだやり残した仕事がある。小屋松知哉、岩崎悠人ら京都の若手たちに闘争心やガムシャラさをより強く伝えなければならないのだ。昨季の12位という成績では、それを100%やり切ったとは言い切れない面がある。闘莉王自身もそこは痛感する点だ。

「若い選手は自分がやりたいことと、やらなきゃいけないことを区別するのが難しい。チームをどう勝たせるか、その中でどう自分をアピールするかっていうところがまだできていない。1点の大事さ、1回のボールロストの大変さをもっともっと分かって初めてプレーオフや自動昇格が見えてくる。自分はそう思っています。

 ただ、2017年最終節で勝てたのは、名古屋での2016年最終節での痛い経験が教訓にできたのかなと。湘南(ベルマーレ)はあの時点で何もかかっていないのに、名古屋のホームに来て勝って名古屋を振り落とした。

 今年(2017年)の湘南がぶっちぎりでJ1に上がったのは、そういう手を抜かないところ、当たり前のことをしっかりできるところにあるんじゃないかなと。そこが僕らとの差。だけど松本山雅との試合で少しはそこが進歩したと若い選手たちにも話しました。彼らをもっと伸び伸びやらさなきゃいけないって気持ちはありますね」と彼は熱い思いを今一度、口にした。

 その闘争心が続く限り、闘莉王はピッチに立ち続けるはず。コンディションの問題はあるにせよ、彼はこの先もまだまだピッチに立ち続けるはず。実際、闘莉王のように日本サッカー界に多くのものをもたらせる男はなかなかいない。2018年の京都は希代のファイターの存在を最大限生かして、J1復帰の道を探るべきだ。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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