コウチーニョ退団の影響は? 今後の戦いこそが証明に
「ファブ・フォー」が「ファブ・スリー」に変わり最初の試合となったシティ戦は、最高の形で終わった。創造力のあるアタッカーがいなくなり、チャンスが作れないのではないかという懸念もあったが、そんな心配を吹き飛ばす素晴らしい内容だった。
試合後、リバプールの指揮官はテレビインタビューで次のように語っている。
「コウチーニョがいなくなったその週に4点を決めて勝利した。これは重要なメッセージで、正しいメッセージでもある。フィリッペもバルセロナの自宅で喜んでくれているはずだ。彼がいなくてもパフォーマンスを見せられることを証明できたのは、非常に大きい」
リバプールOBで解説者のジェイミー・キャラガーとダニー・マーフィーは「コウチーニョがいなくても問題なかった」と口を揃えた。そして司会者に「コウチーニョがいないほうがプレッシングをしやすいのではないか?」と質問されたマーフィーは、「現在のシティ相手ということに限定すれば、答えはイエス。MFの3人は走り回って仕事をしなくてはいけないから…」と答えたものの、歯切れが悪かったのが印象に残った。
一方のキャラガ―は「今日の結果はクロップ監督にとってとても大きい。ただコウチーニョ放出が正解だったかどうかは、シーズン終了時に分かること。なぜこのタイミングで行かせたのか。CLへの出場権獲得ができない場合には、大問題になるはずだ」と警鐘を鳴らしている。
サッカーでは、対戦する相手が強ければ強いほど、能力以上の力が出ることもある。2人の解説者は、それ以外の試合、つまり今後しっかりと結果を残すことこそが大切だと言いたいようだった。
そんなOBたちの不安をよそに、クロップ監督は「シティを相手にあんなプレーをできるのは、よほど良いチームでなくてはならない。幸運にも、私にはその素晴らしいチームがある!」と喜びを爆発させていた。果たしてコウチーニョなしの“素晴らしいチーム”は本物なのか? まずは22日のスウォンジー戦に注目したい。
(取材・文:松澤浩三【イングランド】)
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