試合終盤に起きたとんでもない珍事
主審が選手に足蹴り!?
こんなとんでもない珍事が起きたのは、1月14日に行われたリーグアン第20節のナント対PSGだ。
あと数分で試合終了、という時間帯、PSGのキリアン・ムバッペがドリブルで相手ゴールめがけて猛スピードで駆け上がると、ピッチ全体が彼を追う方向に動いた。
ナントのブラジル人DFジエゴ・カルロスも後方から懸命に追いかける。
と、そのとき、彼の右側を走っていたトニー・シャプロン主審が左寄りに走路を変更、行く手をブロックされた形のジエゴ・カルロスの体がぶつかり、シャプロン主審は前のめりに転倒してしまった。
衝撃の行動は、その次の瞬間に起こった。
シャプロン主審は起き上がりざまにひらりと体を反転させると、右足でジエゴ・カルロスの足元に蹴りを入れたのだ。屈強なディフェンダーを転倒させるに十分な威力はなかったが、ブラジル人DFは突然の出来事に呆然。
するとその彼の顔面に、怒り心頭といった表情のシャプロン主審は、2枚目のイエローカードと(この試合の前半戦にジエゴ・カルロスはすでに1枚イエローカードをもらっていた)、続いてレッドカードを突きつけた。
呆気にとられながら抗議したジエゴ・カルロスを、シャプロン主審は、「さっさと立ち去れ!」と言わんばかりのジェスチャーで追い払った。
両軍の選手がその輪に加わり、一時その場は騒然となったが、残りわずか数分で試合は終了。前半戦のリードを守りきって0-1でPSGが逃げ切った。
しかし試合の結果よりも注目を集めたのはこの事件の顛末だ。
まずシャプロン主審は、後日リーグの規律委員会に召喚され、フランスサッカー連盟の審判委員会での審議を待つ間は、次の第21節から当分のあいだ謹慎処分となった。