熾烈な争いになりそうな「2位争い」
【見どころ2】
準優勝は誰の手に?
すでにPSGの一頭レース状態となっている今季、熾烈な争いになりそうなのは2位争いだ。前半戦のトップ5は次のとおり(カッコ内は勝ち点)。
1. PSG (50)
2. モナコ (41)
3. リヨン (41)
4. マルセイユ (38)
5. ナント (33)
マルセイユが一歩後退したが、前半戦はモナコ、リヨンと、三者が同勝ち点で並ぶことも多かった。圧倒的な戦力差があるPSGに次ぐ栄誉ある2位、そしてチャンピオンズリーグ出場権が得られる3位。この2つのイスを三者で争う戦いは最後までもつれこみそうだ。
ディフェンディング・チャンピオンのモナコは、ムバッペ、ティエムエ・バカヨコ、ベルナルド・シウバ、バンジャマン・メンディら、昨季の主力をごっそり失いながらも大崩れすることなく上位をキープしているのは立派。
ラダメル・ファルカオが前半戦で15得点とチームの全ゴールの3分の1を担い、文字通りエース級の活躍をしている。ファルカオは夏のW杯ではコロンビア代表として日本と対戦する。今季快調な彼は日本代表にとって脅威の存在だ。
3位のリヨンは、今季新たに入団したマリアーノを筆頭に、ナビル・フェキール、メンフィス・デパイと、攻撃陣がコンスタントに点をとっていて、オフェンスがよく機能している。この冬のメルカートでは「夏に離脱する可能性、あるいは来季以降をふまえた補強をする」とオラス会長は話している。
それに、さすがはひと昔前にリーグ7連覇を達成したクラブなだけあって、安定したパフォーマンスを継続できる能力は高い。
4位のマルセイユは、昨夏に獲得した2人のアタッカー、バレリー・ジェルマンとコンスタンチノス・ミトログルーが、前半戦はそれぞれ4得点、2得点と、鈍い滑り出しだった。
ミトログルーに関しては、ペースやリズム感を見る限りここでのプレーはやや厳しいか、という印象があるが、一昨シーズン、昨シーズンともに2桁ゴールでニース、モナコの躍進に貢献したジェルマンは、徐々に得点感覚が戻ってきている様子。後半戦に期待できそうだ。
その他新加入組では、ウォルフスブルグから獲得したブラジル代表のMFルイス・グスタボは、攻守両面でチームを支える屋台骨となっている。
そして、入団2シーズンめの酒井宏樹は、右サイドバックでレギュラーの地位を確立しただけでなく、最近は人材不足の左サイドバックを任されるなど、監督から厚い信頼を受けている。後半戦初戦のレンヌ戦でも、ゴールライン際で相手のゴールをクリアする超ファインセーブを披露して、メディアからも絶賛された。
「最終ラインでよりクリエイティブになること。自らゴールを決めに行くこと」をルディ・ガルシア監督は今後の課題に挙げているが、酒井自身もそれについては意識して臨んでいる。今季はEL第1節のコニャスポール戦など惜しいシュートチャンスもあったから、後半戦では待望の初ゴールも見られるかもしれない。