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北朝鮮人FWにビッグクラブ注目も…外貨獲得に繋がる懸念。英紙が“政治的リスク”を指摘

text by 編集部 photo by Getty Images

ハン・グァンソン
ペルージャに所属するハン・グァンソン【写真:Getty Images】

 セリエAのカリアリからセリエB(イタリア2部)のペルージャに期限付き移籍している19歳のU-19北朝鮮代表FWハン・グァンソンに、ユベントスやトッテナムなどのビッグクラブが注目している。喜ばしい反面、外貨獲得に繋がるのではないかと16日に英紙『デイリー・メール』が指摘した。

 先日、セリエA6連覇中のユベントスがハン・グァンソンの獲得に乗り出し「カリアリとの合意に近い」と一面で報じたイタリア紙『トゥットスポルト』。続いてイタリアの『トゥットメルカートウェブ』などは、トッテナムも関心を示し同選手の代理人と連絡を取り合っていると報じている。

 選手にとってはステップアップに繋がる可能性があるビッグクラブからの関心。しかし、北朝鮮出身であるが故に移籍には大きな障害が立ちはだかるかもしれない。英紙『デイリー・メール』は「北朝鮮の法律では、国境を越えて働く市民の賃金は政府に属すると定めている。したがって、ハンの賃金を支払うことによって、カリアリは間接的に敵国に資金を提供している」と、北朝鮮の外貨獲得に繋がる懸念があることを指摘した。

 続けて「カリアリはハンの賃金に関して彼に直接支払っていると主張しているが、後でハンが何をしているかを説明することはできない。ユベントスがハンにサインし、彼の賃金を倍増させれば、問題はより一層深刻になるだろう」とコメント。先日、ハン・グァンソンはイタリアでのテレビ出演を突如キャンセルしたが、出演を断らないと祖国に送還される可能性があったと報じている。

 また、かつてフィオレンティーナの下部組織に所属し、将来が有望視されていた19歳のU-23北朝鮮代表FWチェ・ソンヒョクが契約解除されたことにも言及した。同選手を保有していたフィオレンティーナは、各方面から独裁政権の核兵器開発に繋がる賃金を提供していると非難されて契約解除に至っている。フリーになった後、昨年夏の移籍市場でペルージャが獲得した。

 ハン・グァンソンは北朝鮮人として初のセリエA出場&得点を記録している。今季は公式戦19試合に出場し7得点3アシストを決めていた。実力は十分あるものの、ハン・グァンソンの獲得は同選手だけでなく、獲得したクラブにもリスクが生じることになりそうだ。

【了】

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