ポテンシャルの高さを持つパナマ。長所は堅守速攻スタイル
【パナマ代表】
FIFAランキング:55位(2017年12月)
監督: エルナン・ダリオ・ゴメス(2014年~)
初出場
北中米カリブ海予選3位通過
2017年10月10日は、パナマにとって歴史的な日となった。ロシア・ワールドカップの北中米カリブ海地区最終予選最終節、コスタリカ戦でパナマ代表が勝利を収め、メキシコ、コスタリカに次ぐ3位で本大会出場権を手にしたのである。同国のフアン・カルロス・バレーラ大統領は翌10月11日を国民の休日に制定し、全国民を上げてこの快挙を祝福した。
パナマはこれまでW杯に出場してこなかったが、野球のメジャーリーガーやバスケットボールのNBAプレーヤーを何人も排出しているだけに、元々のポテンシャルは高かった。日本ではヨーロッパで活躍したフリオ・デリー・バルデスや、その双子の兄で、Jリーグで活躍したホルヘ・デリー・バルデスが有名だろう。彼らのプレーを見たことがある人なら、パナマ人の身体能力の高さは何となくイメージできるのではないだろうか。
現在のパナマ代表を率いるのは、そのデリー・バルデス兄弟から2014年2月に指揮権を引き継いだコロンビア人のエルナン・ダリオ・ゴメス。母国コロンビアの有力クラブや中南米諸国の代表チームを率いてきた経験豊富な指揮官で、堅守速攻戦術の確立に定評がある。もちろんパナマでも同様の戦術を採用しており、それが選手たちの身体能力の高さとマッチしたことが、今回のW杯出場に繋がったと言える。
フォーメーションは主に4-4-2を採用している。最終ラインでは大ベテランのフェリペ・バロイ、屈強な肉体を誇るロマン・トーレスがセンターバックコンビを組み、相手の攻撃を跳ね返す。
ダブルボランチのガブリエル・ゴメスとアニバル・ゴドイは体を張った守備を見せながら鋭いパスを散らし、両サイドのアルベルト・キンテーロ、エドガル・バルセナスを走らせる。ゴール前で待ち受けるのは、パナマの歴代最多得点記録を更新し続けるブラス・ペレスやルイス・テハダ。
いずれも長身ながら動きはしなやかで、多彩な得点パターンを持つ選手だ。ちなみにB・ペレスは上述のコスタリカ戦で0-1の状況から同点ゴールを記録しているのだが、これはよく見ると全くゴール内に入っていない完全な誤審。その後R・トーレスの逆転ゴールが生まれており、運をも味方につけてのW杯出場だった。
しかしW杯初出場だけに、大舞台での経験のなさは如何ともし難い。予選やCONCACAFゴールドカップとは規模の違う本大会で実力を発揮できるかどうかは全くの未知数だ。