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Jリーグ 7年前

FC東京、“ぬるま湯体質”脱却へ。長谷川イズムの注入、4ヶ条の徹底で「あるべき姿」に

FC東京の長谷川健太新監督(52)が、早くもイズムを全開にしてチーム改革に着手している。清水エスパルスを強豪に復活させ、昨シーズンまで率いたガンバ大阪では2014シーズンの三冠独占を含めた4つのタイトル獲得を導いた源泉となる「厳しさ」を前面に押し出し、チーム内に巣食ったぬるま湯的な体質をまずは駆逐。ポテンシャルを秘めながら手が届かなかったリーグ戦のタイトルに照準をすえて、選手間の競争意識をあおりながら戦う集団へと変貌させていく。(取材・文:藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Naoto Fujie, Getty Images

自主トレを視察しながら脳裏に浮かんだ疑問

FC東京の監督に就任した長谷川健太氏
FC東京の監督に就任した長谷川健太氏【写真:藤江直人】

 毎年のようにリーグ戦のタイトル獲得を期待されながら、J1における最高位が4位だった理由が何となくわかってきた。小平グラウンドで9日から行われてきた自主トレを連日視察しながら、今シーズンからFC東京を率いる長谷川健太監督の脳裏に疑問が頭をもたげてきた。

「選手同士がいい意味ですごく仲がいい。ただ、チーム内における厳しさという点で弱冠どうなのかなと。非常にポテンシャルが高いというか、才能がある選手が多いのになかなか開花しきれないのは、居心地のいいチームだからなのかどうか、と」

 昨シーズンはFW大久保嘉人をはじめ、GK林彰洋、DF太田宏介、MF高萩洋次郎、FW永井謙佑と日本代表経験者を次々と補強。開幕直後には2016シーズンの得点王、元ナイジェリア代表のFWピーター・ウタカも加わった。

 大久保、ウタカにFW前田遼一と3人のJリーグ得点王を擁しながら、しかし、総得点37はリーグワースト6位に甘んじた。最多となる川崎フロンターレの71の約半分だったことを考えても、一度も首位戦線に加わることなく13位に甘んじた理由が伝わってくる。

 もっとも、昨シーズンを含めて期待を裏切り続けて要因は、FC東京の大金直樹代表取締役社長をして「FC東京は『甘い』あるいは『緩い』という言葉で表現される」と言わしめた、チーム全体に巣食ったぬるま湯とも言っていい体質に帰結する。

 これらを一掃して、クラブ創立20周年となる2018シーズンで再スタートを切るには誰に指揮を託せばいいのか。大金社長は熟慮した末に筑波大学蹴球部時代のひとつ先輩で、昨シーズンまではガンバ大阪を率いていた長谷川監督に、厳しくも情熱があふれる指導を介して、FC東京をひとつ上のステージへ導いてほしいとオファーを出した。

「大金社長も私を呼ぶのに一大決心があったんじゃないかと思いますが、タイトルを期待されてオファーをいただいたと思っているので、期待に応えられるような戦いをしていきたいですね」

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